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新作書き下ろし4作品を公開!

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サポータ向け書き下ろし「短編小説の航路」シリーズ『エスプレッソ』1作品、「東京を撮る」シリーズ『世田谷3丁目から東へ、2019年6月21日』、『提灯の玉川学園』、『玉川学園から町田へ』3作品を公開しました。片岡義男.comだけで読める作品です。サポータの皆様は、サポータ本棚から作品をお楽しみ下さい。

エスプレッソ

『エスプレッソ』
まるで片岡義男氏自信をモデルにしたような70歳台の作家が登場します。しかも、最新の短編集についてのインタビューを受け、その内容がまた、海老フライが登場するなど、短編小説の航路シリーズを思わせる話が飛び出すのです。さらに、その中で、小説のおかしみ、面白みがどこから生まれるのかのタネあかしまで疲労してくれます。その後に展開する物語は、まるで、そのインタビューの内容を受けるように、女流作家との打ち合わせが、老作家とのインタビューと対比をなし、下北沢の坂の下にあるエスプレッソの店を契機に、旧知の女性と、その友人だが主人公とは初対面の男性という対比の二人と出会います。その出会いと別れを淡々と描写する中に、そこはかとない情緒が生まれるのが、短編小説の面白さなのかもしれません。


東京を撮る18 世田谷3丁目から東へ、2019年6月21日

『東京を撮る18 世田谷3丁目から東へ、2019年6月21日』
見慣れていたはずなのに、少なくとも東京では当たり前の風景だったはずなのに、いつしか忘れられ、あまり見られなくなった風景の一つに「歩道橋」があったことに片岡義男氏が気がつく、今回の「東京を撮る」では、階段と路面と建物の接する部分が何度も登場します。それらは、いわゆる「境界」で、しかも、人為的に人の生活圏を分断するべく作られたもの。その辺りに目を付けた片岡義男氏の視点の動きが、今回は文章でも克明に記されていて、写真と文章を見比べる楽しみもあります。もちろん、いつもフォトジェニックな餃子の食品サンプル、ポスターやポップの美女といったレギュラーメンバーも健在。昭和後半の東京が色濃く残る、東京人の生活圏としての世田谷探訪は続きます。


東京を撮る19 提灯の玉川学園

『東京を撮る19 提灯の玉川学園』
玉川学園の商店街の夏祭りを彩る沢山の提灯が、絶妙な構図で撮影された写真が並ぶ、今回の「東京を撮る」は、江戸の昔とは役割を変え、しかし独特な風情を見せてくれる提灯を深く探った軌跡となっています。提灯がある風景と、風景の中の提灯、その両方が撮られているところに、考察の跡が感じられます。その途中で休憩に立ち寄ったドトールでは、ミラノサンドの謎について、「短編小説の航路 嫌なことからは逃げる」の主人公が考えていた謎を更に重層的に提示して、予告編めいたことまで語ります。「提灯とミラノの謎」という物語が書かれるのかどうかは分かりませんが、提灯が並び、夕暮れにはそこに火が入る風情が、何故、こんな風に絵になるのか、という謎だけでも十分魅力的だと思うのです。


東京を撮る20 玉川学園から町田へ

『東京を撮る20 玉川学園から町田へ』
片岡義男氏が手に入れたデジカメ、富士フイルムのX-E3は、昔のライカを思わせるようなクラシカルなデザインのレンジファインダー型のミラーレスカメラです。レンズ交換式で、片岡氏は18-55mmのズームレンズを付けているようです。そして、このカメラになってから、「東京を撮る」シリーズは、よりクッキリと、そこで何が表現されているのかが見えてきたような気がします。今回の「玉川学園から町田へ」でも語られている通り、このカメラに何の不足も感じていないということなので、片岡氏の視線は、カメラを媒介にしつつ、ほぼ本人が意図したままに写真に定着されているということなのでしょう。そう思うと、町田で1000枚の写真集というのも簡単に実現しそうですね。


また、これまでサポータのみに公開していた「短編小説の航路」シリーズのうち、『謎なら解いてみて』が販売開始となり、サポータでない方でもお求めいただけるようになりました。

謎なら解いてみて
『謎なら解いてみて』

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2019年10月31日 00:00|電子化計画