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『春菊とミニ・スカートで完璧』他2作品発売開始!

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『春菊とミニ・スカートで完璧』『フォカッチャは夕暮れに焼ける』『ティラミスを分け合う』の3タイトルを電子化!どれも気になるタイトルばかりですよね。今回の作品も、読めば読むほど味が出ます。1回読むだけでは物足りません!表紙デザイナーは、南アヤコさん。思わず手に取りたくなるようなデザインですね。
サポータの皆様は、サポータ本棚でお読みいただけます。ぜひ、この3作品をお楽しみください。

(底本:『この冬の私はあの蜜柑だ』2015年、講談社)


春菊とミニ・スカートで完璧

『春菊とミニ・スカートで完璧』
とても不思議な物語です。もしかしたら、これは片岡流コンプライアンス問題なのかも知れません。しかし、そんな物語自体のテーマは置いておいて、そこで描かれる、映画のセットを模して創られた飲み屋街の様子や、それを創った男が語る新しい街の展望や、日本語が達者なジャズ・トランペッターと主人公の編集者による濃厚なジャズ談義は、それだけで独立した物語になるくらい魅力的です。男女の関係性による物語の論理について描く一方で、物語の本質はテーマにあるのではないと言わんばかりのディテールの充実。そして、思いっきり皮肉のような、真実のようなラストの言葉。そこにあるのは短編小説の自由さです。


フォカッチャは夕暮れに焼ける

『フォカッチャは夕暮れに焼ける』
小説の登場人物は、当たり前ですが想像上の存在です。「フォカッチャは夕暮れに焼ける」では、その小説の中で、更に女性を想像する小説を書いて、しかもその小説をそのまま読ませるという複雑な構造になっています。物語の想像力とは何か、そこにいない誰かを想像するというのは、何をすることなのか、想像上の女性の物語を積み重ねることは、そのキャラクターにとってどういう意味があるのか。とても短い物語の中に、入れ子状態でいくつもの想像力が重なり合う物語なのです。だから、この小説にはストーリーがほとんどなくて、その数少ないストーリーと呼べる部分をタイトルに持ってくる、という洒落っ気も含めて、じっくり味わって欲しい名品です。


ティラミスを分け合う

『ティラミスを分け合う』
短編小説「ティラミスを分け合う」には、かつてのライフスタイルマガジンの編集者の日常は、目に入る全てのものが仕事に繋がって、そして誌面が作られていくという様子が克明に記されています。もっとも、こんなに華やかな私生活を持った編集者には、寡聞にも出会ったことはありませんが、それでも、こんな風に情報を整理して、ネタにしていった時代があったことは覚えています。その様子を描くことで、物語の中にどれだけの数の具体的な情報を詰め込めるかの実験を試みたのが、この小説の肝ではないかと思います。登場するアイテムも、お馴染みのモレスキンからサッチェル、ワーゲンのマイクロバスにゴルゴンゾーラドルチャなどなど、ジャンルを横断していて、その幅にかつての雑誌を思い出します。


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2019年9月27日 00:01|電子化計画