9.11を前に、アメリカについて考える

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首脳会談、自由貿易協定、軍事協力、米中貿易摩擦、……アメリカと日本や諸外国との間のさまざまな話題を、私たちは毎日のように目にしています。それに加え、不法移民の問題や銃による事件、スポーツ、エンターテイメントといった、アメリカ国内のニュースも私たちはネットやテレビ、新聞記事などで知ることができます。しかし、それで「アメリカを知っている」と言えるのでしょうか?

片岡義男は湾岸戦争を報じるアメリカのTV報道をきっかけに、アメリカの言語、すなわち英語を知ることで彼らの行動や、ひいてはアメリカを知ることにつながる、という視点から論考を書きます。それが『日本語の外へ』(1997年・筑摩書房)です。今から約20年前に書かれたものですが、そこに書かれていることは、まるで「今現在」のアメリカ社会や国際社会、そして日本について語っているかのようです。

片岡義男.comでは「アメリカを知っているのか?」と題し、『日本語の外へ』に収録のエッセイをいくつかご紹介しています。今月はその中から7編をピックップしてお届けします。

ちょっと外出してピストルを買って来る

ちょっと外出してピストルを買って来る
今年に入ってから、アメリカで起こった銃の乱射事件総数は292件だそうです(9月9日現在、「Gun Violence Archive」による)。アメリカにおいて銃は、その建国の歴史や理念と切っても切り離せないものですが、現代社会における銃とはどんな存在なのか、その実情をうかがい知ることができます。

煙草をお喫いになりますか

煙草をお喫いになりますか
タバコの健康被害については今や世界的な共通認識となっていますが、アメリカでタバコのパッケージに初めて警告が印刷されたのは1969年だそうです。かつては大衆に愛された嗜好品が、自由と民主主義の中で否定されるものへと変わっていくその歴史をたどります。

キャロル・ホルトグリーン

キャロル・ホルトグリーン
キャロル・ホルトグリーン(Kara Spears Hultgreen)は1965年生まれ、米国初の女性キャリア戦闘機パイロットでしたが、1994年に空母への着艦訓練中に死亡。その原因について過失か故障かをめぐり一大論争になりました。この事件からアメリカ軍における男女の「性差」について考察します。

午後を過ごす最高の場所

午後を過ごす最高の場所
アメリカを代表するスポーツといえば野球でしょう。1994年、メジャーリーグ(MLB)選手会によるストライキでシーズンが中断、90年ぶりにワールド・シリーズが行われないという前代未聞の事態が起こりました。この出来事を軸に、アメリカ人と野球の分かちがたい関係について探ります。

グレン・ミラー楽団とともに

グレン・ミラー楽団とともに
1994年6月6日、イギリスで行われた「Dデイ」(1944年のノルマンディー上陸作戦開始を記念した日)50周年の式典に、アメリカを代表して出席したのは、学生時代にヴェトナム戦争に対して反戦運動を行い徴兵回避をしたビル・クリントン大統領(当時)でした。片岡さんは式典を伝えるニュースの中にアメリカの中に今も残る「ある対立」を見出します。

アメリカ国内文脈ではなく、世界文脈の英語を

アメリカ国内文脈ではなく、世界文脈の英語を
英語には「国際語」としての側面と、「(アメリカ)国内での日常生活文脈のための母国語」という2つの顔があります。英語という言葉の性能やその論理、特性など「英語とは何か」についてさまざまな側面から考えます。

そしてもうひとり、片岡義男さんと縁の深いカメラマンの佐藤秀明さんもまた、アメリカとは深い縁があります。その佐藤さんによる『グラウンド・ゼロ』の電子版が本日発売になりました。

グラウンド・ゼロ

1967年に初めてニューヨークに滞在し、さまざまな人や情景を写真に収めてきた佐藤さん。その被写体のひとつが、当時建設が始まったばかりのワールド・トレード・センター(WTC)でした。WTCは2001年9月11日、あの衝撃的な「事件」で姿を消しましたが、その後も、佐藤さんはニューヨークに渡りWTC跡とその街に生きる人たちを撮ってきました。この本のあとがきでも佐藤さんはWTCについて、「写真人生にとってはとても大きな意味を持つビルであった」と書いています。

LONESOME COWBOY

LONESOME COWBOY』の世界とは対極をなす、大都会ニューヨークでの写真家修行の日々と、そこに生きる人々、WTCとともに駆け抜けた29年の写真家人生を綴ったフォト・エッセイです。

2019年9月9日 11:49|サイト更新情報