973編公開中。 今を映す手鏡のように
1985年 の一覧
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2020.7.17
日本の夏の夜、ディズニーランド・レコードを聴いてすごした二時間。ミッキーもドナルドも、みんな元気だった。
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 梅雨が明けた。急に暑くなった。日本の夏だ。素晴らしい。湿気が、じつにいい。独特の重さをたたえたこの湿気のなかに、日本の夏の官能が、息づいている。夜になると、いちだんと、素敵だ。  さっそく、キンチョウの蚊取り線香をたこ…
2017.9.20
フィクション 1
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「お酒を一杯だけ、つきあってほしいの」  と、彼女は、電話のむこうで言っていた。  長距離電話のような、遠い声だった。 「今日の夕方の、時間のご都合は、どうかしら」  と、彼女は、きいた。  彼女の質問に、ぼくは、微笑し…
2017.8.12
誕生日
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 かつて三津子さんという女性がいた。いまでもどこかで美しく元気にしているはずだ。この三津子さんが二十五歳のときにぼくは彼女と知り合い、彼女が二十八歳のなかばになるまで、ぼくは彼女の数多い友人のひとりだった。  彼女の二十…
2017.7.14
やがてはカウボーイも、インディアンとおなじく保護居住地に囲われる身となるだろう、と本物の西部男が言っている。
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 モンタナ州とアイダホ州の州境を、大陸分水嶺が東へむかってのびてくる。ワイオミング州の西側の州境にぶつかり、ワイオミング州の北西部に入りこんで、南東にむかって斜めにくだっていく。くだりきると、大陸分水嶺は、コロラド州との…
2017.6.7
ポンティアック
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 ほんのすこしだけ昔の、あるいは大いに昔の、アメリカの自動車についてあれこれ考えていたら、懐かしい名前をたくさん思い出した。かつてぼくが親しんだアメリカ製の大きな自動車たちの名前だ。  一九六六年のポンティアック・グラン…
2017.2.26
六〇年代
 バード。ブーガルー。ブリストル・ストンプ。フレディ。フラッグ。ファンキー・チキン。ヒッチハイク。ハックルバック。ハリー・ガリー。ジャーク。リンボ。ロコモーション。マッシュド・ポテト。モンキー。ポニー。シンガリン。スロッ…
2017.2.16
理想主義の炎を燃やしつづけるために
 アレグザンドラ・ペニーが書いた『男の人への、してあげかた』という本は、一九八一年に刊行されてすぐにベストセラーの仲間入りをした。まだベストセラーのリストにのっているころ、ぼくはこの本を買った。ダスト・ジャケットのデザイ…
2017.2.14
愛と栄光のための戦い
 ロバート・B・パーカーの『愛と栄光』(邦訳はハヤカワ文庫『愛と名誉のために』)という小説をぼくは面白く読んだ。ロバート・B・パーカーが書く私立探偵スペンサーのシリーズは日本でも好評だが、この『愛と栄光』は、パーカーにと…
2017.2.8
ならず者街道を旅したロバート・レッドフォードは、フロンティア時代の残り香のむこうに次の時代の巨大な影を見た。
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 映画『大統領の陰謀』の撮影が終ってから、男優のロバート・レッドフォードは旅に出た。アメリカの西部で人々のあいだにいまも語りつがれている「ならず者街道」1000キロを身をもって旅し、昔のアメリカといまのアメリカを同時に体…
2017.1.20
林檎の樹
 星条旗が立っている郵便局の裏をゆっくりとおりすぎると、行手に一本の巨木が見えた。樹木に関するぼくの知識で判断すると、その大樹は楢の樹の一種のようだった。  巨木や大樹は、たいていの場合、神々しさに近いような威厳を、長い…
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