882編公開中。 今を映す手鏡のように
1960年代 の一覧
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2017.9.12
ガールの時代の終わりかけ
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 僕が新卒の新入社員として、会社というものをかすかに体験した時代は、いつだったのですかという質問に対しては、とりあえず年号を答えればいい。しかし年号は単なる数字だから、その頃を知らない人にとっては、年号などなんの意味も持…
2017.8.30
水になった氷の悲しみ
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 仕事の用件で編集者に電話をかけた。用件をめぐる話が終わると、 「ちょっと待ってね、替わります」  と彼は言い、数秒後、 「もしもし」  と、編集長が電話に出た。 「八時にはいつもの店にいるから、暇なら来なさい」  と、…
2017.8.27
『女が階段を上る時』
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一九六〇年の日本でバーが全盛期を迎えた。 会社勤めの男たちがもっとも安心して寛げる場所だった。 『女が階段を上る時』という作品に関して、書きたいことはさほどない。このような映画を僕は苦手としている。つまらないから、という…
2017.8.25
明日への希望は社会の財産
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 一九六二年に公開された日活映画『キューポラのある街』で、若い女優としてまず最初の頂点をきわめた頃の吉永小百合をめぐって、スクリーンに投影される彼女のイメージとして大衆がもっとも歓迎したのは、彼女の全身、その一挙手一投足…
2017.8.4
会社員が老いていく国
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 僕に思い出すことの出来る範囲で、キー・ワードをひとつだけつまみ出すなら、それはロマンス・グレーという言葉だ。この言葉は確かに兆候だった。日本は老人の国になる、という認識が確定されていく兆候だ。ロマンス・グレーという言葉…
2017.7.23
渡り鳥と寿司について
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 一九六一年には大学の三年生だった僕は、その年の夏を房総半島の館山で過ごした。なぜ館山だったのか、いまとなってはなにひとつわからない。当時の僕は房総半島に関しては完全に無知だったはずだ。学校の友人に教えてもらったのかもし…
2017.7.21
虚ろな内側をよく見ておきなさい
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 ジュリー・ロンドンが歌う「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」の歌い出しは、三とおりのマイナー・コードのなかを下降して上昇しそこからふたたび下降するメロディによる、四分の三拍子の四小節だ。そしてそのなかで、Fly me t…
2017.6.28
ふたりは一九六六年を思い出す
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 ビートルズが日本に来たとき、ぼくはいわゆる「社会人」となって仕事をしていた。フリーランスのライターとして、いろんな雑誌に文章を書くのが仕事だった。親しく仕事をしていたある雑誌の編集員から、ビートルズの記者会見にいかない…
2017.6.16
『さようならの季節』
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一九六二年一月/日活〔監督〕滝沢英輔〔出演〕浜田光夫・香月美奈子 他 『さようならの季節』は一九六二年の一月十四日に公開された、カラーで七十二分の作品だ。原作はなく、『草を刈る娘』の三木克己と才賀明のオリジナル脚本によっ…
2017.6.15
『上を向いて歩こう』
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一九六二年三月/日活〔監督〕舛田利雄〔出演〕坂本九・浜田光夫 他  中村八大の作曲、永六輔の作詞、そして坂本九が歌った「上を向いて歩こう」は、一九六一年に大ヒットとなった流行歌のひとつだ。坂本による次のヒット「見上げてご…
2017.2.26
六〇年代
 バード。ブーガルー。ブリストル・ストンプ。フレディ。フラッグ。ファンキー・チキン。ヒッチハイク。ハックルバック。ハリー・ガリー。ジャーク。リンボ。ロコモーション。マッシュド・ポテト。モンキー。ポニー。シンガリン。スロッ…
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