974編公開中。 今を映す手鏡のように
LP の一覧
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2020.7.17
日本の夏の夜、ディズニーランド・レコードを聴いてすごした二時間。ミッキーもドナルドも、みんな元気だった。
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 梅雨が明けた。急に暑くなった。日本の夏だ。素晴らしい。湿気が、じつにいい。独特の重さをたたえたこの湿気のなかに、日本の夏の官能が、息づいている。夜になると、いちだんと、素敵だ。  さっそく、キンチョウの蚊取り線香をたこ…
2020.7.2
風がそこに吹いている
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1  そこにいるのは自分ひとりだけという他に人のいない状態を寂しいと言うなら、それはlonesomeだよと、英語で説明されたのは、僕が六歳くらいのときだ。この説明を聞いてlonesomeはよくわかったが、自分では使うこと…
2020.6.15
ビートルズ詩集とはなにか
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 久しぶりに会う友人の編集者は、僕が知っているとおりの彼だった。雰囲気、身のこなし、表情、そして笑顔や言葉など、なにひとつ変わらず、そのことは僕をうれしい気持ちにさせた。彼と落ち合ったのが経堂駅のすぐ近くにある素晴らしい…
2020.5.14
トリス・バー。バヤリース・オレンジ。バッテンボー
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 バッテンボー、という言葉は死語だろうか。老いも若きも、日本じゅうどこへいっても、誰もがこの言葉を口にしていたあの頃、というものがかつて存在した。あの頃がいつ頃だったか、昭和の何年あたりだったのか、資料がないと僕には正確…
2020.4.30
南日本新聞のあれやこれや
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僕におけるもっともらしさ  かつて南米のペルーから日本へ数多くの男性たちが仕事をしに来ていた。彼らの姿をいまはまったく見ない。日本の失われた二十年の始まりとともに彼らも帰国し始めたなら、彼らが日本を去り始めてすでに二十年…
2020.4.15
チェックアウトはいつでも出来る
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 一九七一年にリンダ・ロンシュタットのバンドとして彼女とツアーに出ていたとき、自分たちのバンドを作ろうではないか、という意見で四人はまとまった。グレン・フライ。ドン・ヘンリー。バーニー・リードン。ランディ・マイズナー。マ…
2020.4.8
『タランチュラ』あとがき
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 ボブ・ディランの『タランチュラ』は、難解である、とよく言われているが、けっしてそのようなことはない、という点についてのみ、すこし書いておこう。  知的な好奇心に多少とも燃えていて、普通程度あるいはそれよりすこしはましな…
2020.4.8
幸せと才能の関係の物語
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「ハリーだってよ」  と自分が言ったのを、いまでも僕は覚えている。レコード店のなかで友人に言ったのだ。『トロピカル・ダンディー』の細野晴臣さんは、ハリー・ホソノだった。ここでは片仮名で書くけれど、たとえばそのLPのジャケ…
2018.11.26
ペンタックス・スーパーA
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 夏の終わりも近いある日の午後、僕はペンタックスのスーパーAという一眼レフを持って、撮影散歩に出た。スーパーAのなかに三十六枚撮りのリヴァーサルを一本、そしてポケットのなかにさらに二本。歩く時間はせいぜい三時間だから、こ…
2018.3.21
あの映画をもう一度観たい、その1
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 イギリスとスイスとの合作映画『ワイルド・ギース』が制作されたのは一九七八年だった。そしてその年に日本でも劇場公開された。僕は東京の渋谷で観た。プラネタリウムのあった建物のなかの映画館だった。いまからちょうど三十年前のこ…
2017.8.18
ワシントン・ハイツの追憶
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 一九五〇年代なかばから持っているジャズのLPを必要があって見直していたら、ラルフ・フラナガンのLPジャケットのなかに、一枚の写真が入っているのを見つけた。週刊誌ほどの大きさの白黒のプリントで、ワシントン・ハイツのおよそ…
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