884編公開中。 今を映す手鏡のように
食べる の一覧
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2017.6.11
思い出のバブル・ガム
縦書き
 アメリカの駄菓子の記憶としていまも僕のなかでもっとも鮮明なのは、リコリスの味と香りだ。リコリスは甘草(かんそう)と日本語では呼ばれている。ルート・ビアをひと口飲んだとき、うへっ、薬臭い、と顔をしかめる人が日本には多いが…
2016.9.12
電車の中で食べました
 都内ターミナル駅の広くて複雑なコンコース。多数の人がいろんな方向へ常にいきかう平日の午後、人どおりがもっとも多い時間。二十代後半、会社勤めのスーツ姿の女性が足もとに鞄を置き四角い大きな柱にもたれてちくわを食べているのを…
2016.9.6
僕はチェリーを忘れてた
縦書き
 東京でいちばんおいしいピッツアの店、と僕がいつも言っているピッツアの店で、何とおりかの前菜のあと、直径三十センチのピッツアを四人がかりで四枚、たいらげた。デザートにはエスプレッソ、そしてアイスクリームにチェリー・シロッ…
2016.6.18
海苔を巻いたおにぎりの謎
縦書き
 つい先日、残暑が続く平日の午後、いつもの私鉄の電車に乗って、僕は新宿に向かった。空いている席があったので僕はそこにすわった。電車のなかで僕は本を読んだりしない。その反対の居眠りもしない。いっぽうの極に読書があり、もうい…
2016.5.9
アイスクリームには謎がある
 アイスクリームについて思うと、その思いは過去へと向かっていく。僕がまだ充分に幼くて可愛い坊やだった頃、僕はいちばん最初のアイスクリームを食べたはずで、それについての記憶はいまも残っている。幼い体の口腔感覚がとらえた、ア…
2016.2.10
思い出すのはアメリカ式朝ごはん
 『アメリカン・フード(アメリカの食べもの)は、どんなふうでしょうか、ちょっと見てみましょう』というタイトルの、全四十四ページの本を、ぼくは手に入れた。みじかい解説文を読みながら、その文章にそえてある数多くの写真をはじめ…
2016.2.9
ピーナツ・バターで始める朝
 ピーナツ・バターとの久しぶりの再会をいま僕は楽しんでいる。10年ぶり以上、15年くらいにはなるかもしれない。しかし20年にはなっていない。などと言いながら、10年や20年、あっと言う間だ。  うれしい再会だから、なかに…
2016.2.8
オートミールの朝食
 子供のころ、朝食にオートミールをよく食べさせられた。ぼくが子供のころには、日本のどこをさがしてもオートミールなんてなかったのだが、いまではたいていのスーパーで売っている。  ドロドロのおかゆのように出来あがった熱いのを…
2016.2.6
トーストにベーコン・アンド・エッグス、そして紅茶
 トーストにベーコン・アンド・エッグス、オレンジ・ジュースと熱い紅茶、そして日本ではふつうクレソンと呼ばれている草をひとつかみ。こんな朝食も悪くない。ぼくは好きだ。非常にしばしば、朝の8時ごろ、こんな朝食をたべる。  ま…
2016.2.5
少年食物誌
 瀬戸内海に面した小さな港から内陸にむかって、一本の川がのびていた。港から入江に入りこみ、山陽本線の鉄橋をくぐると、その川の両側は石垣のスロープになり、スロープの上には漁村とも農村ともつかない不思議なたたずまいで、瀬戸内…
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