981編公開中。 今を映す手鏡のように
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2018.6.11
食事も酒も論理でつながれている
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〈書評〉石田千著『箸もてば』  題名の『箸もてば』とは、自分で作った食事を、さあ、食べるぞという瞬間、あるいは、いま食べているさなかのことだ。食事という論理の筋道の、ちょうど中間だ。  物事には順番がある。順番とは、言う…
2018.4.20
十年に一度の面白さと言っておこう
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〈書評〉マイク・モラスキー著『呑めば、都 居酒屋の東京』  日本の国立大学で教授として教えている著者のマイク・モラスキーさんは、教職員の健康診断の一部分として病歴や生活習慣などについて自己申告する書類のなかで、「酒の量」…
2018.3.2
女たちの描く「女」が怖い
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 いちばん左にあるのを僕は二〇〇七年の夏に読んだ。まんなかのを秋口に、そして右側にあるのは、冬になってから読んだ。二作とも女性の書き手によるものだ。意図してそう選んだのではなく、まったくの偶然だ。偶然と言えば、表紙の写真…
2017.8.14
『東京五人男』一九四五年(昭和二十年)
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 一九四五年の七月、日本に対して連合国側から、降伏してはどうかという勧告があった。ポツダム宣言だ。日本の海軍は戦争の終結を望んでいた。陸軍は本土決戦を唱え、首相はポツダム宣言に対して、ただ黙殺するだけだ、という態度を取っ…
2017.7.3
ドライ・マティニが口をきく
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 仕事をおえて、ビルから外へ出てくる。  まだ、明るい。  夏は、これだから、いい。  仕事を終ってもまだ明るいという、夏の特性を、しっかり楽しまなくてはいけない、と自分自身に言って聞かせよう。  夏の午後おそくから、夕…
2017.7.2
日時計の影
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 昼間なら広い庭を見渡すことの出来る窓辺のテーブルで、ぼくは彼女と親しくさしむかいだった。遅い夕食を、ぼくたちは、いっしょに食べようとしていた。多忙な彼女のスケジュールにあわせていたら、今日の夕食はこの時間になってしまっ…
2017.6.1
テキーラの陽が昇る
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 会議は二時間、続いた。十五分の休憩があり、会議は再開された。それから一時間が経過していた。さらに一時間は、続くはずだ。この会議をとりしきっている男性は、会議のためにこのような時間のとりかたをするのが、好みだ。休憩をあい…
2017.5.11
鮎並の句を詠む
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 鮎並と書いて、あいなめ、と読むらしい。当て字だろう。電車のなかに吊ってあった清酒の広告で、初めて知った。誰が見ても鮎並にしか見えない魚が一尾描いてあり、俳句がひとつ添えてあった。鮎並の皮の旨みのじっんわりと。こういう俳…
2017.3.20
大変なときに生まれたね
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 推理小説作家の横溝正史さんは、夏を軽井沢の別荘で過ごしていた。確か一九七五年の夏、横溝さんにインタヴューを受けてもらうために、僕は日帰りでその別荘を訪ねた。FM局の二時間番組の進行役、という仕事も当時の僕はこなしていた…
2017.1.24
素敵な女性作家たち(2)
素敵な女性作家たち(1) ■本を捜すときには、どうするのですか。カードとか、パーソナル・コンピューターとか、使うのですか。  まさか。そんなことをするわけがないでしょう。買ってある本のつまっている棚のまえに立ち、適当に抜…
2017.1.23
素敵な女性作家たち(1)
■このジャンルの本ならいつでも読みたい、というような領域はありますか。お勧め、というか、この領域のなかならいつ読んでも面白い、というような。*  手近なところでとっさに思いつくのは、いまのアメリカの、女性の作家たちによる…
2016.9.15
雨の京都、主演女優、そして発泡する日本酒
「たまには対談をしてみませんか。相手は主演女優です」  と友人が言った。 「いつ、どこで、誰と」  と僕はきいてみた。  土居裕子さんが京都での公演に入るにあたって、スケジュールに半日の空きがある、と友人は答えた。 「彼…
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