884編公開中。 今を映す手鏡のように
道路 の一覧
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2017.6.6
道路の小説を書きたい
縦書き
 ぼくは日本の地形と気候が好きだ。地形も気候も、ともに独特であり、このふたつが重なりあった日本は、興味がつきない。  この小さな列島は、亜寒帯から亜熱帯にまで、わざわざまたがるのを意図したかのように、細長い。複雑な海岸線…
2017.5.15
『江戸でシャンペイン』
縦書き
 僕がこの文章を書いているいまは、一九九五年の十二月だ。ついでに日付と時間を書いておこう。十五日の午後五時三十分だ。いまとはいったいいつなのか、はっきりさせておきたい、と僕は思う。このいまから見て、僕がもっとも最近になっ…
2017.2.23
記号を頼りに旅をはじめる
 ランド・マクナリーの道路地図だ。アメリカ合衆国を自動車で旅行するとき、この地図は欠かせない。旅行するたびに、あるいは、新しい版が出るたびに買っているから、すでに何十冊もたまっている。  人間が作ったハイウェイや町なども…
2016.10.17
ぼくの好きな大空間
 最初に北アメリカ大陸を西から東へ自動車で横断したときは、その横断になんの目的もなかった。とにかく、ただ、横断してみたかったのだ。  あの広大な大陸は、地形が複雑だ。気象もそれに応じて変化する。この、地形と気象の変化だけ…
2016.8.26
ラスト・アメリカン・カウボーイ
 夏の終わりちかく、カンザス州のどまんなか。  どの方向に見渡しても、地平線までまったいらな、農業国アメリカの、途方もなく広い畑だ。  早朝なのに、青い空には熱い太陽が、すでにかんかん照りだ。  大地からは、水蒸気が、も…
2016.6.26
トリップ・カウンター・ブルースだってよ
  1  エンジンをかけるため、路面が硬くて平坦なところへ、バイクを押し出していく。サイドスタンドをあげたとたんに、バイクの重さを全身に感じる。すさまじい重さだ。  かすかなダウングレードを、うしろむきに降りていく。生ゴ…
2016.6.21
大陸のエネルギーと大海原のエネルギー
 北アメリカの太平洋岸のハイウェイを自動車で走っていると、走っているあいだずっと、巨大な海の存在を身近に感じつづけることができる。  大きさにおいては負けず劣らずの大陸と海とが接しあうところを、海ぞいに、北へ南へと走る。…
2016.6.3
ハイウエイのかたわらに立つ、巨大なドーナツや恐竜
 世界最大のマカロニ、と呼ばれている建造物のことを、アメリカの友人から聞かされたのを僕はいま思い出している。  どこだったか場所は忘れたが、ハイウエイ沿いのガス・ステーションのすぐかたわらに、その世界最大のマカロニは、ご…
2016.5.25
故郷へ帰りたい
 高速道路にあがると、都会の匂いがいっそう強く全身に感じられた。  初夏の快晴の日だ。だが、都会は薄黄色いスモッグにおおわれていた。せっかくの青空は、そのスモッグにさえぎられ、頭上のほんのせまい部分がうっすらと青いだけだ…
2016.4.20
道路への関心と小説
 『佐多への道』という本を何年かまえに僕は英語で読んだ。アラン・ブースというイギリスの人が、北海道の宗谷岬から九州の佐多岬まで、出来るだけ都市化されていない田舎の部分を選んで、ひとりで歩きとおした紀行文だ。歩くということ…
2016.3.16
深夜の地獄めぐり
 深夜の東京の、主として高速道路をオートバイで走りまわることを、彼は地獄めぐりと呼んでいる。なぜ、深夜に、地獄をめぐるのか。  彼の言い草は、こうだった。 「夜中なら道路に車がつかえてないから、事故のとき救急車も早く来て…
2016.3.9
オン・ロード
 道路は、たしかに、きわめて日常的で陳腐な光景だ。  だが、ひとたびオートバイにまたがって走れば、魔法のサーキットになる。  道路がただ道路でしかない人に、魔法のサーキットについていくら語っても、らちはあかない。  しか…
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