972編公開中。 今を映す手鏡のように
自動車 の一覧
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2020.4.21
あの道がそう言った
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白く輝く雲へ  まだ梅雨だがその日は、梅雨明けの初日のように、素晴らしい晴天だった。小田急線の上りひと駅の下北沢で井の頭線に乗り換えて渋谷へ。朝のラッシュアワーの地下鉄銀座線浅草行きのプラットフォームでは、人々が三列にな…
2020.2.21
スヌーピーと旅したアメリカ6000マイル
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 ふつう、ぼくは、人形と名のつくいっさいのものに対して、興味を持たない。嫌いなのではなく、人形はじっと見ているともの悲しいし、あるときは薄気味わるくもあるからだ。  身のまわりにながく置いてあった人形には、ぼくたちの生命…
2018.2.19
もっともハードなハードボイルドとは
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 ダン・J・マーロウという作家の最初の長篇『死を賭けて』と、その続編である『ワン・エンドレス・アワー』の主人公、アール・ドレイクという男性は、犯罪の世界とは関係のないまともな社会に存在するものに例えるなら、彼は優秀な海兵…
2018.2.14
「ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス」②
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『ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス』と、片仮名をいくつも続けて書くのはつらいので、意をとった仮の日本語題名として、『死を賭けて』と書くことにする。先月号(*13「ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス」)に書い…
2018.1.5
見よ、ポンティアックのGTO!
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 ここにあるのは、一九六七年モデルのポンティアックGTOの、当時の雑誌に掲載された広告だ。ポンティアックのGTOというシリーズは、この年に完成の域に到達した、と僕は思っている。完成したポンティアックGTOの面構えがこれだ…
2017.12.13
のこぎりバンパーを追憶する
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 一九六六年から一九七十年代いっぱいくらいの期間、アメリカの自動車の前部バンパーは、こんな造形だった。マーキュリー・サイクローン。オールズモビールのトロナードやデルモント88。ビューイック・リヴィエラ・グラン・スポート。…
2017.12.4
僕がデソートを停めた場所
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 デソートという名の自動車が、かつてアメリカにあった。ここにあるのはそのデソートのおそらくは一九三九年あるいは一九四十年の雑誌に掲載された広告の、アートワークの部分だけだ。  どれもみな絵だから、誇張も美化も思いのままだ…
2017.11.20
フロント・グリルと僕の関係
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 一九六十年代のなかばから後半にかけての時代の、シヴォレーやフォードなどごく庶民的な乗用車のフロント・グリルがいくつか、ここにある。ひとつずつ観察してやがて頭のなかにまとまる感想は、かつてこういう時代があった、ということ…
2017.9.28
彼女と一台の自動車
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1  秋の午後、やや遅い時間。あるいは、夕方のすこし早い時間。ダイニング・ルームに客をとおす準備は、まだ終わっていない。早い時間の客は、したがって、ロビーとして使っている部屋か、バー、あるいはテラスに案内される。彼女はテ…
2017.9.27
ブラックベリーとスニーカーの靴ひも
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 東京からひとりで自動車を走らせて三時間、彼女は高原のホテルに着いた。  よく晴れた明るい秋の日の午後のなかに、静かに、ゆっくりと、夕暮れが溶けこみはじめる時間だった。荷物を持ってホテルに入り、チェック・インした。ベルボ…
2017.8.12
誕生日
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 かつて三津子さんという女性がいた。いまでもどこかで美しく元気にしているはずだ。この三津子さんが二十五歳のときにぼくは彼女と知り合い、彼女が二十八歳のなかばになるまで、ぼくは彼女の数多い友人のひとりだった。  彼女の二十…
2017.7.11
ミッキーマウス・カントリー
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 ミッキー・マウスの帽子をぼくはまだ持っている。ずいぶん昔に買った帽子だ。なにしろディズニー・ランドが開園してまだ六年ぐらいしかたっていないころ、ディズニー・ランドのギフト・ショップで買ったのだから。  この帽子は、じつ…
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