882編公開中。 今を映す手鏡のように
結婚 の一覧
2017.8.28
『妻』
縦書き
戦後の日本はやがて崩壊する仕組みのなかにあった。 一九五三年の映画がそのことを静かに教えてくれる。  一九五三年(昭和二十八年)の四月に公開された『妻』は、林芙美子の『茶色の目』という小説を原作としている。例によって例の…
2017.4.11
東京で電車に乗ると、なにが見えますか
縦書き
 結婚式場の広告ポスターを、僕は以前から興味を持って観察している。東京だと、結婚式場の広告ポスターは、電車のなかに特に多い。  文字だけで構成したポスターは皆無だと言っていい。結婚した女性が手に入れるはずとされている幸せ…
2016.3.29
とてもいい友人どうし
 彼と彼女は、そろそろ四十歳に近づく年齢の、同世代の日本人だ。どちらも二十代の後半に結婚し、どちらも三十代のなかばには離婚した。いまはふたりとも独身だ。都会のなかで多忙に、しかしそれなりに楽しく、日々を送っている。  こ…
2016.2.13
四季のひとめぐり
「今日は記念日なのよ」  彼女が言った。 「そうだね」  彼が答えた。 「自覚してましたか」 「ちょうど一年だ。昨年の今日、僕たちは知り合った」 「あれから一年なのね」  平凡な言いかたに彼女は優しい感慨をこめた。 「一…
2016.2.12
『結婚の生態』1941年(昭和16年)(2)
前回|1|  ふたりの結婚式の様子は省略されている。式を終わって車で出かけるふたりの、式場の玄関先での描写フィルムが、式にまつわるすべてを代表している。ふたりは彼の両親の墓参りをする。旅行が終わったらきみの両親の墓にお参…
2016.2.11
『結婚の生態』1941年(昭和16年)(1)
 「石川達三の小説『結婚の生態』から、良き結婚生活精神の建設を新たな物語に描いてー」という文章が、冒頭でスクリーンに映し出される。原作は当時のベストセラーだったという。若い優秀な新聞記者がひとりの女性と知り合い、結婚して…
2015.11.2
結婚する理由がない、と彼女が言う
 この短い文章のためにぼくにあたえられているテーマは、「男が結婚したいと思う女性には共通項がある」というテーマだ。ぼくは困った。共通項がある、と断定してある。しかもその断定は、男性の側から一方的になされたものであるらしい…