972編公開中。 今を映す手鏡のように
男性 の一覧
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2020.6.24
午後五時の影
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 ぽっちゃり、という日本語をなんとか英語で言うことは出来ないか、と考えた時期があった。いまから二十年くらいは前のことだ。ごく平凡には、plumpだろう。しかし日本語のぽっちゃりは、語感として明るく、ぽっちゃりしているとい…
2020.3.3
秋の雨に百円の珈琲を
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 十月初めの平日、雨は朝から降っていた。昼前に窓から外を見たら、雨はやんでいた。たたんだ傘を持って人が歩いていた。雨は降ったりやんだりの一日なのだ、と僕は思った。夕方近く、自宅を出ていつもの私鉄駅へ歩いていくとき、僕は傘…
2017.11.23
古き佳きアメリカとはなにか
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 ここにあるのは一九四一年のフォードの新車の広告だ。当時の雑誌に掲載されたものだが、この頃の雑誌広告の世界では、写真ではなく人が描いた絵が、グラフィックスの中心だった。カラー写真が広告に盛んに使われるようになったのは、戦…
2017.10.26
美女を三つ折りたたむ
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 一九五十年代前半の、ごくみじかい期間、アメリカの『エスクワイア』という雑誌には、三つ折りの引き出しページがあった。横長のページの一端はほかのページとおなじく綴じてあり、その横長のスペースは、山折りと谷折りひとつずつで、…
2017.9.19
『パリ・テキサス』を観た
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 空中から撮影した荒野が画面に映る。その荒野のなかを、ひとりの男が歩いている。いったいこの男になにごとが起こったのだろうかと、スクリーンを観ている人は思う。ここから、この映画はスタートする。  荒野をひとりで歩いて来たそ…
2017.9.7
銀座で夕食の約束
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 銀座で夕食の約束があった。僕と男性もうひとり、そして女性がふたりの、合計四人だ。女性たちのうちのひとりと落ち合った僕は、コーヒーを一杯だけ飲み、彼女とともに夕方の銀座を夕食の店にむかった。  歩道を歩いていて、あるとき…
2017.6.1
テキーラの陽が昇る
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 会議は二時間、続いた。十五分の休憩があり、会議は再開された。それから一時間が経過していた。さらに一時間は、続くはずだ。この会議をとりしきっている男性は、会議のためにこのような時間のとりかたをするのが、好みだ。休憩をあい…
2016.7.13
その重荷を背負う|アビーロードのB面
 彼はひとりで町を歩いていた。彼のすぐ前をふたりの男性が歩いていた。彼らは親しい友人どうしのようだった。彼とおなじような年齢、そしておなじような服装だった。  ふたりの会話が、すぐうしろから歩いていく彼に、断片的に聞こえ…
2016.5.18
雨の夜、電話ブースで待っていた
 真夜中に電話が鳴った。沖縄が梅雨入りをしたという小さな記事を新聞で読んだ三日後の、雨の夜だった。  女性の友人からの電話だった。電話ブースのなかで雨宿りをしているので、自動車で助けに来てもらえないだろうか、というお願い…
2016.1.12
いかに生きたら、もっともかっこういいか
 いまこれから、ひょっとしたら貴兄にも読んでいただけるかもしれないこの短い文章のために、男性はどのように生きたらかっこういいだろうか、というテーマを僕はもらってしまった。たいへんに書きにくいテーマだし、僕にとっては不得意…
2015.12.17
恋愛小説のむこう側
 ごく普通のスタイルで小説を書こうとするとき、主人公という役をつとめてくれる女性と男性を、ひとりずつ作らなくてはいけない。このひと組の男女がなんらかの関係を作り、その関係を変化させ、変化は何重にも重なり、その重なり合いの…
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