973編公開中。 今を映す手鏡のように
沖縄 の一覧
2018.2.16
ひき続きダン・J・マーロウを読む
縦書き
 今回はまず写真について説明しておこう。横にならんでいる三冊のペーパーバックのうち左端にあるのは、僕にとっての最初のダン・マーロウとなった、『死を賭けて』の一九六二年に刊行された初版だ。かつて僕はこれを持っていたし、読み…
2018.1.22
「ヨコタ・オフィサーズ・クラブ」
縦書き
 アメリカの軍事力を、攻撃力のきわめて高い数多くの基地という、もっとも端的なかたちで国内に持ちながら、戦後の日本は独立し、国際社会へ復帰した。その戦後日本の憲法にうたわれている、戦争の放棄という条項のかわりに、同盟国であ…
2018.1.3
ピア・アンジェリ、一九五三年
縦書き
『映画の友』の一九五三年九月号だ。透明なビニールにきっちりと包装され、古書店の棚に納まって確か千円だったと思う。活字びっしりで写真も多く、情報内容のたいそう豊富な様子は、表紙のいちばん上に英語でうたってある、「日本でもっ…
2017.3.10
白い縫いぐるみの兎
縦書き
 一九四五年の二月の後半、五歳の子供だった僕は、両親とともに東京駅から汽車に乗り、途中で一度も乗り換えることなく、東海道線そして山陽本線とたどっていき、山口県の岩国に到着した。汽車のなかで一泊し、合計では二日以上かかった…
2016.12.9
戦争は、写真うつりがいい
縦書き
『アメリカ海軍の戦争写真』というタイトルの写真集を、僕はいま見ている。《真珠湾から東京湾まで》と、サブ・タイトルがついている。ジャケットに使ってある写真は、バンカー・ヒルという名前のアメリカ海軍の航空母艦が、一九四五年五…
2016.6.5
雨と霧と雲と
 彼は一年にすくなくとも一度は、オートバイで雨のなかを走り、ずぶ濡れになりたいと感じていて、ほとんどいつも、その感じているとおりにしている。春おそくから夏の終わりまでの季節にかぎられてくるけれども、どしゃ降りの雨のなかで…
2016.5.18
雨の夜、電話ブースで待っていた
 真夜中に電話が鳴った。沖縄が梅雨入りをしたという小さな記事を新聞で読んだ三日後の、雨の夜だった。  女性の友人からの電話だった。電話ブースのなかで雨宿りをしているので、自動車で助けに来てもらえないだろうか、というお願い…
2016.5.2
日本史のなかの最初の国民投票
二〇〇四年一月六日*本文末「まえがき」参照  二〇〇三年十一月の総選挙で使われた自民党のマニフェストのなかに、次のような項目があった。「結党五十年の二〇〇五年十一月に改正憲法の草案をまとめ、国民的な議論を展開する」。この…
2016.4.20
道路への関心と小説
『佐多への道』という本を何年かまえに僕は英語で読んだ。アラン・ブースというイギリスの人が、北海道の宗谷岬から九州の佐多岬まで、出来るだけ都市化されていない田舎の部分を選んで、ひとりで歩きとおした紀行文だ。歩くということ、…
2015.11.15
いま、ここにある、自分の場所
 世界地図を、じっくりとながめてみよう。地図帳ではなく、できるだけ大きな一枚の紙に印刷した、世界地図だ。  日本でつくった世界地図だと、なぜだか日本がその地図のまんなかにくるような構図になっている。どこの国の世界地図でも…