972編公開中。 今を映す手鏡のように
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2020.4.29
そうか、きみは島へ帰るのか
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 ハワイから日本へ戻ることにきめた数日後、親しい日系の二世の男性が、So. You are going back to your island.と、僕に言った。そうか、きみは島へ帰るのか、というような意味だ。日本が島だと…
2020.4.21
あの道がそう言った
縦書き
白く輝く雲へ  まだ梅雨だがその日は、梅雨明けの初日のように、素晴らしい晴天だった。小田急線の上りひと駅の下北沢で井の頭線に乗り換えて渋谷へ。朝のラッシュアワーの地下鉄銀座線浅草行きのプラットフォームでは、人々が三列にな…
2017.11.27
ハワイの絵葉書の不思議な情感
縦書き
 ハワイが観光地としての性格をおびた最初の瞬間、というものについて僕はいま考えている。その瞬間はいまからおよそ八十年ほど前のことだ。太平洋のまんなかという、遠い場所にある珍しい未開の島、ハワイ。そこへ遠くからきた人が、来…
2017.8.13
リゾートの島で二十一世紀最大の課題を知る
縦書き
 遠い南の海に浮かぶ小さなリゾートの島というものは、僕にとってはたいへんに不思議で奇妙なものだ。これはいったいなになのだろうかと、そのような場所へいくたびに、僕は違和感を楽しむ。グレート・バリア・リーフのなかにあるハミル…
2017.6.23
金曜日の午後の飛行機だった
縦書き
 二階にあるコーヒー・ショップの、奥の窓ぎわの席で、ふたりは小さなテーブルをはさんでさしむかいにすわっている。「コ」の字型の建物が内側へかこいこんでいる内庭のようなスペースを、ふたりは窓ごしに見おろすことができる。内庭に…
2017.1.12
南の海の小さな島に誘惑されて
 地球儀の南側に横たわる巨大な海のまんなかの、小さな小さな島にひとりで到着してホテルに入り、部屋のテラスから海を見ながら僕は水を飲む。遠いところへ来たなあと、つくづく僕は思う。ジェット旅客機の定期運行システムとそれを支え…
2017.1.5
どこにもないハワイへの行きかた
 ハワイが島ではなくなっていく、とぼくが、ある日、自覚する。その自覚を土台として、センチメンタルな感情のたかまりが、おこってくる。まだ島としての香りや感情の残っている部分を、なくなってしまわないうちに、まるで落葉をひろい…
2016.8.3
小さな島にいると自分がよくわかる、という話
 ぼくにとっての小さな島の魅力は、「南」とか「夏」とかの魅力と、不可分に一体となっている。ぼくが大好きな島は、南の島かあるいは夏の島なのだ。真夏でもなお肌寒い北の海の島はまだ体験がないから、好きだかどうだかわからない。 …
2016.6.29
丘の上の愚者は、頭のなかの目でなにを見たのだったか
→|縦書き|Romancer|で読む。  丘の上の愚者は、沈んでゆく陽を見たのだった。そして、この愚者には、目がもう一対あり、その目は彼の頭のなかにあったのだ。頭のなかのその目で、丘の上の愚者は、まわっている地球を見たと…
2016.1.3
君はいま島へ帰る
 日本というユニークな島に住んでいるぼくたちは、自分たちの国がじつは小さな島々だという事実を、意外に忘れているのではないだろうか。  日本人の島国根性とか、島国で国土がせまいとか、日本の人たちはよく自ら口にするけれど、自…
2015.12.15
誰がいちばん初めに波に乗ったのか
縦書き
 誰がいちばん初めにサーフィンを考えついて実行したのか、わかっていない。  ちょっとした板っきれをボディ・ボードに使ったサーフィンは、数千年の歴史を持っているにちがいない。南太平洋の、どこかの小さな島で、ある日、波乗りは…
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