884編公開中。 今を映す手鏡のように
少年 の一覧
2017.9.25
幼い頃の自分について語る(3)
縦書き
《(2)からのつづき》 3  小学校の六年生だった頃の自分について書くのは、これで三回めです。材料がなにもないけれど、ないとは言わないでなにか思い出してみようと思いつつ、ワード・プロセサーのキーをまるでつまびくように叩き…
2017.9.24
幼い頃の自分について語る(2)
縦書き
《(1)からのつづき》 2  ぼくは、小学校六年生の頃には、すでに専門家になっていました。なにの専門家かというと、出来るだけ学校へいかずにすませる専門家です。小学校六年生の頃には、ぼくは一年のうち三十日くらいしか学校へい…
2017.9.23
幼い頃の自分について語る(1)
縦書き
1  ぼくは六歳から十四歳くらいまでの期間を、瀬戸内海に面したふたつの町で過ごしました。もうずいぶん以前のことです。どのくらい以前かというと、いまの瀬戸内海は、ある種の文脈では「死の海」などと呼ばれるほどにさまざまに汚染…
2017.5.6
生まれてはじめての旅
縦書き
 ぼくは東京生まれだが、子供の頃の十年ほどを、山口県の岩国(いわくに)、そして広島県の呉(くれ)で、過ごした体験を持っている。  目のまえには、あの独特な瀬戸内海、そしてすぐうしろには、おだやかな中国山脈があり、気候は温…
2016.8.19
ステーション・ワゴン
 十六歳の夏に、父親が、三千六百ドルでステーション・ワゴンの新車を買った。  夏休みのある日、父親は、仕事の用で、大陸の東側へ、飛行機でいった。  父親の部屋に入り、ロールトップ・デスクのうえを見ると、キーがひとつ、キー…