881編公開中。 今を映す手鏡のように
古書 の一覧
2017.6.2
渋谷の横町を、植草さんのとおりに歩く
縦書き
 植草(うえくさ)さんの全集『植草甚一スクラップブック』には、毎回、月報がついていた。その月報には、一九七六年一月一日から書きはじめた植草さんの日記が、すこしずつ、のせてあった。 「渋谷(しぶや)の横町の石井(いしい)さ…
2017.4.27
「の」の字のコレクション
縦書き
 五年ほど前、古書店のカタログを見ていて、思いついた。なんとかのかんとか、というふうに「の」の字ひとつによって、なんとかとかんとかが結びつけられているタイトルの本を買う、という遊びだ。半分までは本気だが、残りの半分は冗談…
2016.10.14
『路上にて』を買いそこなう
 日本語に翻訳されたときの題名を『路上にて』という、ジャック・ケルアクの『オン・ザ・ロード』を一九六二年、大学三年生のときに読んだ。そのときのペイパーバックをいまでも持っている。シグネットというペイパーバック叢書からの、…
2016.10.4
本を三冊買う
 本を三冊買う、という楽しみかたの方針を、現在の僕は確定されたものとして持っている。三冊だと買うときにもっとも楽しい。おそらくそのせいだと思うが、買ってからずっとあとまで、その楽しさは持続する。だから、楽しみかたの方針と…
2016.6.10
ジン・ボ・チョへの道
 都営新宿線の地下鉄で新宿から神保町まで、二百十円でいくことが出来る。三百八十円というようなときがくれば、そのとき多くの人々は、かつて二百十円だったことを忘れている。なにかの折りに昔の料金を知って、その安さに人々は驚くの…
2016.4.13
植草さんの日記に注釈をつける
 『植草甚一スクラップブック』というタイトルで、かつて植草さんの全集が刊行された。一九七〇年代のなかば過ぎから、ある期間にわたって毎月一冊ずつ、刊行されていたような記憶がある。毎月、本のなかに月報がついていた。本とは独立…
2016.2.23
交差点の青信号を待ちながら
交差点の横断歩道の信号は赤だった。青に変わるのを待つために僕は立ちどまった。歩くために脚を動かしていたことによって、僕の体内にはエネルギーが撹拌されていた。急に立ちどまったからそのエネルギーは行き場を失い、頭へと上がった…