973編公開中。 今を映す手鏡のように
写真集 の一覧
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2020.4.20
身辺に猫を増やしたい
縦書き
 前足をそろえて体をのばし、おそらくミルクをくれた人を、大きな目を見開いて、賢そうに見上げているほうの猫は、高さが六センチ五ミリだ。白と淡いオレンジ色の毛なみは、足先が見事に白であることによって、引き締まっている。もうひ…
2017.10.5
蒼くはない時にむかって
縦書き
『百恵』というタイトルの大きな写真集を、友人がただでくれた。この写真集について、みじかい文章を書いてくれるなら、ただであげるというのだ。ただはいいけれど、気に入らなければなにも書けないかもしれない、とぼくはこたえた。  …
2017.9.2
部屋を楽しんでいる人
縦書き
 いま彼女がひとりで住んでいる部屋の設計に関して、彼女はいっさい関係していない。父親とその弟が共同しておこなっている仕事をとおして、彼女が使えることになった部屋だ。住みはじめて三年になる。破格の条件で使わせてもらっている…
2017.7.29
LAでは笑うしかない、というLA的な態度
縦書き
『アウトレイジャス LA』というタイトルの写真集におさめてある百点のカラー写真を、ひとつひとつ、じっくりと見おわったところだ。LAに生まれてそこに育ったLAネイティヴのジャーナリスト兼写真家のロバート・ランドーが、自分の…
2017.7.26
モノクロームはニューヨークの実力
縦書き
 アンドリアス・フェイニンガーが自ら編集した写真集『一九四〇年代のニューヨーク』は、ぼくにとっては一機の非常にすぐれた出来ばえのタイム・マシーンだ。一九四〇年代という時間はとっくに過ぎ去ってもうないし、現在のニューヨーク…
2017.7.25
イースト・サイドの、暑い日の午後の消火栓
縦書き
 それほど緊急の用事でもない、という感じでパトロール・カーがくる。歩道に寄ってそのパトロール・カーはとまり、サマータイム・ユニフォームを着た中年の警官がふたり、外に出てくる。ひとりは居心地悪そうにあたりを見まわし、レンチ…
2017.7.1
少年の頃、写真家は、夏の日を見ていた
縦書き
 ジョエル・マイエロヴィッツの新しい写真集を手に入れた。『夏の日』というタイトルの写真集だ。『夏の日』というようなタイトルのもとに、マイエロヴィッツがどのようなカラー写真を見せてくれるのか、大いに期待して、僕はこの写真集…
2017.6.28
ふたりは一九六六年を思い出す
縦書き
 ビートルズが日本に来たとき、ぼくはいわゆる「社会人」となって仕事をしていた。フリーランスのライターとして、いろんな雑誌に文章を書くのが仕事だった。親しく仕事をしていたある雑誌の編集員から、ビートルズの記者会見にいかない…
2017.6.8
白い、半袖のシャツ
縦書き
「あれから、十二年?」  と、彼女がきいた。 「たいしたこと、ないよ」  ぼくが、答えた。 「そうね。それほどの時間ではないわね」  十二年が経過しても、ぼくは昔のままだ。彼女も、変化のない部分はそのままだが、変化をきた…
2017.4.22
人間の人工的な性質を確認するワイルドな場所
縦書き
シエラ・クラブの本を五冊。美しい写真を見ながら、ひとりで感じたこと、考えたこと。(1) “Earthborn”というタイトルの写真集を、僕はついさきほど見終わったところだ。見ながら、そして見終わっ…
2017.2.7
カウボーイ・カントリーを夢に見ながら
 人は一生のあいだにいろんな場所を体験する。生まれ育ったところ以外の場所は、旅行で体験することが多い。仕事その他の都合で思いもかけなかったところに移り住む場合も、頻繁にある。  直接の体験以外に、間接的なかたちで、自分の…
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