972編公開中。 今を映す手鏡のように
先見日記 の一覧
2020.5.22
祟りとハンカチとマスタード
縦書き
 二〇〇四年十月二十日のアメリカン・リーグ優勝決定戦で、ニューヨーク・ヤンキーズはボストン・レッドソックスに敗れた。こういう大事な試合のTV中継では、観客が掲げ持つプラカードを見逃さないようにするのも、楽しみのひとつだ。…
2020.5.18
父親に間違えられた僕
縦書き
 いまから三十年以上前、僕は僕の父親に間違えられたことがある。僕を僕の父親だと思った人がいたのだ。  ラハイナ・ショッピング・センターの奥のほうに、いまはもうないかと思うが、かつては小さな食堂があった。建物の一角にあるそ…
2020.5.7
東京のハードな日々
縦書き
 残暑はとっくに終わっている季節の、しかしひどく暑い晴天の日、水曜日の午後三時すぎ。東京・内神田のたしか二丁目、その名も出世不動という道を、JR神田駅の南口からさらに南へ下がった地点にあるJRの高架下に向けて、僕はひとり…
2020.5.6
豆腐屋はいまもまだある
縦書き
 子供の頃から三十年近くにわたって住んだ世田谷のその一角には、いつも利用する私鉄の駅を中心にして商店街があった。一日のどの時間でも人がたくさん歩いている、賑わいのあるいい商店街だった。一九七十年代のなかばあたりまでは、こ…