972編公開中。 今を映す手鏡のように
会社 の一覧
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2020.4.21
あの道がそう言った
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白く輝く雲へ  まだ梅雨だがその日は、梅雨明けの初日のように、素晴らしい晴天だった。小田急線の上りひと駅の下北沢で井の頭線に乗り換えて渋谷へ。朝のラッシュアワーの地下鉄銀座線浅草行きのプラットフォームでは、人々が三列にな…
2017.12.20
ペプシを飲めと彼女が言った
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 銀河系のなかに浮かんでいる地球における、宇宙という大自然と直結した時間は、螺旋状に循環ないしは反復している。ただし、人間という生き物のDNAに仕込まれた老化のプロセスは、いったん過ぎ去ったなら二度と戻らないという種類の…
2017.9.12
ガールの時代の終わりかけ
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 僕が新卒の新入社員として、会社というものをかすかに体験した時代は、いつだったのですかという質問に対しては、とりあえず年号を答えればいい。しかし年号は単なる数字だから、その頃を知らない人にとっては、年号などなんの意味も持…
2017.8.31
世界でいちばん怖い国
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 カーヴした静かな道からかなり高くなったところに、いまの僕の仕事場の建物がある。道の側にあるいくつかの窓から、カーヴしているその道のいくつかの地点を、それぞれ見下ろすことが出来る。ふと窓の前に立ち、なにげなく道を見下ろす…
2017.8.29
家庭から遠かった男たち
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 自分の家庭以外のところで食事をすること、たとえば街の軽食堂で昼食にせよ夕食にせよ、一回の食事としてなにかを食べることは、子供の頃の僕にとっては、家庭を中心とした日常のなかに成立しているルーティーンから、明らかに逸脱した…
2017.8.28
『妻』
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戦後の日本はやがて崩壊する仕組みのなかにあった。 一九五三年の映画がそのことを静かに教えてくれる。  一九五三年(昭和二十八年)の四月に公開された『妻』は、林芙美子の『茶色の目』という小説を原作としている。例によって例の…
2017.8.27
『女が階段を上る時』
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一九六〇年の日本でバーが全盛期を迎えた。 会社勤めの男たちがもっとも安心して寛げる場所だった。 『女が階段を上る時』という作品に関して、書きたいことはさほどない。このような映画を僕は苦手としている。つまらないから、という…
2017.8.15
拡大にまきこまれた
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 水田稲作の村落から始まった、あくまでも個々の現実に則してものごとを考え解決していくという方針は、外から入ってくるもののうち、都合のいいところだけ採り入れてつなぎ合わせていくという、おなじく現実的な方針と合体した。たとえ…
2017.8.2
団塊の世代という戦後日本
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「あと数年で団塊の世代が日本の会社世界の現場を去っていく。いまも企業に根強く残る男社会と、それにつきもののセクハラとが、団塊の世代とともに消えていく」という趣旨の文章を、二〇〇二年の確か後半、新聞の短い記事のなかで僕は読…
2017.8.1
「がんばる」とは、なにだったか
縦書き
「がんばれ」「がんばって」と、いろんな人から自分は言われる。外部から届いて来るこの言葉を、自分という人は受けとめる。受けとめた度合いがある程度以上になると、そうか、自分はがんばるのか、と思い始める。さまざまな人たちから受…
2017.6.30
会社で学んだこと
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 会社に就職するとどうなるのかという僕の好奇心に、わずか三か月ではあったけれど、会社は充分に答えてくれた。会社に入って最初にわかったのは、ただの新卒はほとんど人ではない、ということだった。新卒はまず会社の備品になる。備品…
2017.4.11
東京で電車に乗ると、なにが見えますか
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 結婚式場の広告ポスターを、僕は以前から興味を持って観察している。東京だと、結婚式場の広告ポスターは、電車のなかに特に多い。  文字だけで構成したポスターは皆無だと言っていい。結婚した女性が手に入れるはずとされている幸せ…
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