972編公開中。 今を映す手鏡のように
仕事 の一覧
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2018.2.2
「ベイト・アンド・スイッチ」
縦書き
 この連載の第三回目で、バーバラ・エイレンライキの『ニッケル・アンド・ダイムド』というノン・フィクションをとりあげた。そのすぐあとに翻訳が出た。いくら働いても生活の状況は劣悪さを増していくだけという、最低賃金以下で仕事を…
2017.12.20
ペプシを飲めと彼女が言った
縦書き
 銀河系のなかに浮かんでいる地球における、宇宙という大自然と直結した時間は、螺旋状に循環ないしは反復している。ただし、人間という生き物のDNAに仕込まれた老化のプロセスは、いったん過ぎ去ったなら二度と戻らないという種類の…
2017.7.11
ミッキーマウス・カントリー
縦書き
 ミッキー・マウスの帽子をぼくはまだ持っている。ずいぶん昔に買った帽子だ。なにしろディズニー・ランドが開園してまだ六年ぐらいしかたっていないころ、ディズニー・ランドのギフト・ショップで買ったのだから。  この帽子は、じつ…
2017.6.30
会社で学んだこと
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 会社に就職するとどうなるのかという僕の好奇心に、わずか三か月ではあったけれど、会社は充分に答えてくれた。会社に入って最初にわかったのは、ただの新卒はほとんど人ではない、ということだった。新卒はまず会社の備品になる。備品…
2017.6.28
ふたりは一九六六年を思い出す
縦書き
 ビートルズが日本に来たとき、ぼくはいわゆる「社会人」となって仕事をしていた。フリーランスのライターとして、いろんな雑誌に文章を書くのが仕事だった。親しく仕事をしていたある雑誌の編集員から、ビートルズの記者会見にいかない…
2017.6.25
登場人物たちの住む部屋
縦書き
 ぼくは十五年以上にわたって、小説を書いてきた。書いている当人にとっては、真剣な遊びのようなものであるが、たとえば税金の申告のときには、作家とか文筆業として申告するので、小説を書くのは仕事でもあるようだ。  その小説の背…
2017.6.23
金曜日の午後の飛行機だった
縦書き
 二階にあるコーヒー・ショップの、奥の窓ぎわの席で、ふたりは小さなテーブルをはさんでさしむかいにすわっている。「コ」の字型の建物が内側へかこいこんでいる内庭のようなスペースを、ふたりは窓ごしに見おろすことができる。内庭に…
2017.6.8
白い、半袖のシャツ
縦書き
「あれから、十二年?」  と、彼女がきいた。 「たいしたこと、ないよ」  ぼくが、答えた。 「そうね。それほどの時間ではないわね」  十二年が経過しても、ぼくは昔のままだ。彼女も、変化のない部分はそのままだが、変化をきた…
2017.6.1
テキーラの陽が昇る
縦書き
 会議は二時間、続いた。十五分の休憩があり、会議は再開された。それから一時間が経過していた。さらに一時間は、続くはずだ。この会議をとりしきっている男性は、会議のためにこのような時間のとりかたをするのが、好みだ。休憩をあい…
2017.5.4
小さな旅、愉快な思い出
縦書き
 朝の八時からいっしょに続けてきた仕事を、午後の二時に終わり、ぼくはその仕事相手の女性とふたりで、建物の外に出てきたのです。きれいに晴れた。五月の午後でした。ゆっくりコーヒーを飲もう、ということになり、どこの店がいいか考…
2016.11.23
社員証と高い付加価値
『スーダラ節』という歌が全国的なヒットになったのは一九六一年のことだ。この歌によれば、サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ、ということだった。文字どおりこの気持ちでいた人たちが多かったと同時に、これでいいのか、このままで…
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