882編公開中。 今を映す手鏡のように
ブルース の一覧
2017.9.1
ピアノを弾く人
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 ピアノを弾く女性が、好きだ。ひとりの女性の生き身が、ピアノというたいへんに構造的な楽器にたちむかうありさまが、いろんなかたちでぼくの興味をそそるからだ。何人もの女性の友人たちが、ピアノを非常に達者に弾きこなす。それぞれ…
2016.11.24
ミシシッピー河により近く|エルヴィスから始まった
9 ミシシッピー河により近く  ブルースを通じてのジャズの蘇生回復は、ブルースの現在の都会的表現の形式である「リズム・アンド・ブルース」によって行われた。その結果が「ロックンロール」の誕生である。どの中流家庭の母親にたず…
2016.8.11
アメリカの革命|エルヴィスから始まった
5 ブルース 〈4〉 アメリカの革命 「カナダからメキシコまで、アメリカのすべてが南部だ」  と、マルカムが、言った。  アメリカ全土に、ブラック・アメリカンによる革命が広がっている事実をこの言葉は示しているし、それと同…
2016.8.4
ブルースマン|エルヴィスから始まった
5 ブルース 〈3〉 ブルースマン  ブルースの思想的な発展は、ブラック・アメリカンのアメリカに対する考え方の変化としてとらえなければならない。  まったく個人的な体験であった南部ブルースが、奴隷解放によって、自己を黒人…
2016.8.4
ミスター・ブルース|エルヴィスから始まった
5 ブルース 〈2〉 ミスター・ブルース  黒人たちがなぜブルースをうたうのか、誰にもわからない。彼ら自身に訊いてみても、はじまらない。「自分が知っている唯一の音楽だから」とか、あるいは「これが自分の生き方だから」とか、…
2016.4.6
ミシシッピー州東テュペロ(1)|エルヴィスから始まった
 その双子の兄弟の名は韻を踏んでいた。兄のほうはジェス・ギャロンといい、弟は、エルヴィス・アロンだった。貧しい生まれだった。父親のヴァーノン・プレスリーは、二〇歳。利益のなんパーセントかをもらう契約で綿農園で働く雇われ農…
2016.1.22
ジャニス、たしかに人生はこんなものなんだ 4
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|1|2|3| ー 4 ー  楽屋のとなりの出演者控え室は、コンクリートの四角い部屋だった。壁には白いペイントが吹きつけてあり、天井に蛍光灯が二列にともっていた。いっぽうの壁に、大きな鏡があった。  ジャニスは、折りたた…
2016.1.21
ジャニス、たしかに人生はこんなものなんだ 3
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|1|2| ー 3 ー  助手席の回転椅子をうしろにむけ、ジャニスは体を投げ出すようにしてすわっていた。高いヘッド・レストとひじかけが両側についたそのキャプテンズ・チェアは、こんなふうにすわると居心地がいい。  椅子の背…
2016.1.20
ジャニス、たしかに人生はこんなものなんだ 2
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|1| ー 2 ー 「故郷のポート・アーサーで、私はグレード・スクールの九年生ごろまでは、けっこう幸せだったのよ。幼いあいだは、どんな子供も、おんなじようなもんでしょ。自分の意見や考え方を持ちはじめる以前の年齢だから、大…