884編公開中。 今を映す手鏡のように
ハイウェイ の一覧
2017.5.31
荒野の風はサンドペーパー
縦書き
 早朝から、かんかん照りだった。  ついになにかが巨大に狂ったのではないかと誰もが思うような、まっ青な空から、地面のあらゆる部分にむけて、強烈な陽ざしがまっすぐに射しこまれつづけた。  ぼくがオートバイで宿を出たとき、ま…
2017.2.23
記号を頼りに旅をはじめる
 ランド・マクナリーの道路地図だ。アメリカ合衆国を自動車で旅行するとき、この地図は欠かせない。旅行するたびに、あるいは、新しい版が出るたびに買っているから、すでに何十冊もたまっている。  人間が作ったハイウェイや町なども…
2017.1.18
ダブル・バーガー
 巨大な空の全域を、分厚い雲が灰色に埋めていた。さまざまな色調の灰色の雲が、複雑に何層にも重なりあい、その結果として、空の雲は分厚かった。重層している雲の、どの層も、急速に動いていた。深く広い空の、ここが自分の高さだと定…
2016.10.17
ぼくの好きな大空間
 最初に北アメリカ大陸を西から東へ自動車で横断したときは、その横断になんの目的もなかった。とにかく、ただ、横断してみたかったのだ。  あの広大な大陸は、地形が複雑だ。気象もそれに応じて変化する。この、地形と気象の変化だけ…
2016.9.27
ハイウェイのある風景に挽歌がスニーク・イン
 自動車というものがもっともよく似合うのはアメリカだと、僕はずっと以前から思っている。そしてその思いには、いまも変化はない。風土にも風景にも、文化的な気質にも、アメリカには自動車がよく似合う。単なる交通機関であるとか、い…
2016.8.30
長距離トラックと雨嵐
 沈んでいく太陽にむかってアリゾナを西に走ると、あらゆるものが、黒いシルエットだ。  夏の終わりの雨嵐も、シルエットで見ることができる。  行手の荒野が、暗い影のなかにのみこまれている。丘のつらなりや、その丘に生えている…
2016.8.28
彼女の林檎
 きれいに晴れた、美しい一日だった。赤城有料道路夏の香りはまだ充分にあるのだが、盛夏のころにくらべるとたとえば空はずいぶん高くなっていて、その高くなったぶんだけ透明さの度合いを高めていた。  雲は、これも正直者だから、秋…
2016.8.26
ラスト・アメリカン・カウボーイ
 夏の終わりちかく、カンザス州のどまんなか。  どの方向に見渡しても、地平線までまったいらな、農業国アメリカの、途方もなく広い畑だ。  早朝なのに、青い空には熱い太陽が、すでにかんかん照りだ。  大地からは、水蒸気が、も…
2016.6.21
大陸のエネルギーと大海原のエネルギー
 北アメリカの太平洋岸のハイウェイを自動車で走っていると、走っているあいだずっと、巨大な海の存在を身近に感じつづけることができる。  大きさにおいては負けず劣らずの大陸と海とが接しあうところを、海ぞいに、北へ南へと走る。…
2016.6.3
ハイウエイのかたわらに立つ、巨大なドーナツや恐竜
 世界最大のマカロニ、と呼ばれている建造物のことを、アメリカの友人から聞かされたのを僕はいま思い出している。  どこだったか場所は忘れたが、ハイウエイ沿いのガス・ステーションのすぐかたわらに、その世界最大のマカロニは、ご…