972編公開中。 今を映す手鏡のように
ドラマ の一覧
2020.7.2
風がそこに吹いている
縦書き
1  そこにいるのは自分ひとりだけという他に人のいない状態を寂しいと言うなら、それはlonesomeだよと、英語で説明されたのは、僕が六歳くらいのときだ。この説明を聞いてlonesomeはよくわかったが、自分では使うこと…
2020.6.30
TVの記憶をふたつ
縦書き
 当時の僕の仕事場はたいそう快適だった。東の端にあった階段を二階へ上がり、まっすぐの廊下を西へ向けて歩いていき、突き当たりにあった和室を抜けると、二十畳ほどの広さの人工芝のヴェランダだった。このヴェランダの南西の角に、温…
2016.4.20
道路への関心と小説
『佐多への道』という本を何年かまえに僕は英語で読んだ。アラン・ブースというイギリスの人が、北海道の宗谷岬から九州の佐多岬まで、出来るだけ都市化されていない田舎の部分を選んで、ひとりで歩きとおした紀行文だ。歩くということ、…
2015.10.19
紀子が住んでいた家
 映画と家あるいは間取り、という主題がまっすぐに結びつくいまの僕の興味は、紀子が住んでいた家だ。紀子とは、小津安二郎という映画監督がかつて作った、『晩春』『麦秋』そして『東京物語』という三本の映画のなかで、主演の原節子が…