972編公開中。 今を映す手鏡のように
コンビニ の一覧
2020.6.29
あるのか、ないのか
縦書き
 ある、という日本語について考えてみた。問題とされているその物がどこかに存在していることを、ある、と言う。この、ある、の反対は、ない、というおなじくひと言だが、ありません、という言いかたが日本語には、ある。ある、という状…
2020.4.21
あの道がそう言った
縦書き
白く輝く雲へ  まだ梅雨だがその日は、梅雨明けの初日のように、素晴らしい晴天だった。小田急線の上りひと駅の下北沢で井の頭線に乗り換えて渋谷へ。朝のラッシュアワーの地下鉄銀座線浅草行きのプラットフォームでは、人々が三列にな…
2020.3.3
秋の雨に百円の珈琲を
縦書き
 十月初めの平日、雨は朝から降っていた。昼前に窓から外を見たら、雨はやんでいた。たたんだ傘を持って人が歩いていた。雨は降ったりやんだりの一日なのだ、と僕は思った。夕方近く、自宅を出ていつもの私鉄駅へ歩いていくとき、僕は傘…
2018.2.28
うかつに紀行文を書かないように
縦書き
 一九一五年のアメリカで、『ザ・ベスト・アメリカン・ショート・ストーリーズ』という題名の短篇集が刊行された。その年のアメリカで発表された短篇小説を可能なかぎりたくさん集めて読み、そのなかから傑作とうたうにふさわしいものを…
2017.12.18
世界はフリッジのなかへと消えていく
縦書き
 冷蔵庫のことを英語でいちばん普通にはリフリジェレイターと言う。これを略すとフリッジという日常語になる。もうひとつ、リーファーという省略語もある。これも普通には冷蔵庫を意味するが、冷蔵トラックなども意味の広がりのなかに含…