981編公開中。 今を映す手鏡のように
ガラス戸 の一覧
2020.9.11
御八つ、お三時、三時ですよ
縦書き
 こうしてスパゲッティ・ナポリタンを初めて体験してからの僕が、なにかと言えば店でナポリタンを食べる子供になったかというと、そんなことはなかった。ナポリタンを作ってくれるよう、母親に頼む子供にもならなかった。なぜなら、この…
2018.12.10
オリンパス・OM-2N
縦書き
 今回の四点の作例のうち一点は、僕自身を撮影した写真だ。僕が自分で撮った。一昨年の秋まで二十年も住んだ五丁目の家の、洗面台の大きな三面鏡の中央の鏡は、縦も横も充分にサイズのゆとりがあり、たとえばそこに映る自分を写真に撮っ…
2017.4.26
『山の音』
縦書き
──失われた日本、消えた昭和。半世紀以上も前の映画に触発されて蘇る、淡い記憶の数々。  一九三五年(昭和十年)に『乙女ごゝろ三人姉妹(きょうだい)』、そして一九五一年(昭和二十六年)には『舞姫』と、成瀬巳喜男は川端康成の…
2016.5.10
またたく星が、にじんでこぼれる
 五月のはじめにアメリカから友人が日本に来た。ぼくの家に泊まった初日の夜、彼はベッド・ルームのベッドの、二段になったマットレスの上段だけを居間に持って来て、ぼくは今夜はここで寝る、と言った。  居間は、かなり広い。そして…
2016.4.13
植草さんの日記に注釈をつける
『植草甚一スクラップブック』というタイトルで、かつて植草さんの全集が刊行された。一九七〇年代のなかば過ぎから、ある期間にわたって毎月一冊ずつ、刊行されていたような記憶がある。毎月、本のなかに月報がついていた。本とは独立し…