981編公開中。 今を映す手鏡のように
イタリア の一覧
2020.9.11
御八つ、お三時、三時ですよ
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 こうしてスパゲッティ・ナポリタンを初めて体験してからの僕が、なにかと言えば店でナポリタンを食べる子供になったかというと、そんなことはなかった。ナポリタンを作ってくれるよう、母親に頼む子供にもならなかった。なぜなら、この…
2020.9.2
小麦をどう食べるか
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 パスタは、小麦をどう食べるかという、人類にほぼ共通の普遍的な課題への、ひとまずの回答だ。小麦を栽培することを知ってからその小麦を粉にするまで、古代エジプトでは二百年ほどかかっていたことを、僕はどこかで読んでかなり驚いた…
2020.8.24
いかなる理由でナポリタンなのか
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 スパゲッティ、と片仮名で書いた一語がころんと目の前にある状態は、かなりのところまで不思議だ。目にした一瞬、読めはするけれど、それがなにを意味するのか、わからない。いつもの駅なかや駅そばの、あの店この店で食べる、お待たせ…
2020.8.11
デュラム、セモリナ、アル・デンテ
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 私はスパゲッティが好き、と言うならその言葉の裏づけとして、『文化麵類学ことはじめ』(石毛直道著、一九九五年講談社文庫。後に講談社学術文庫『麵の文化史』)という本を読んでほしい、という思いでこの本を紹介しておこう。この本…
2020.5.28
日本におけるマヨネーズ階層
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 英文字で正しく綴られたマヨネーズという言葉を、マヨンナイセと読んでそのとおりに音声にした人を、いまでも僕は覚えている。日本で言うところのローマ字読みにすると、マヨネーズは確かにマヨンナイセだ。マヨンナイセと記憶し、その…
2018.5.11
もはや社会そのものが機能しなくなるのか
縦書き
〈書評〉スーザン・ジョージ著 荒井雅子訳『金持ちが確実に世界を支配する方法』  規制緩和、という四文字言葉を目にし耳にして、すでに久しい。二十年にはなるだろうか。この二十年といえば、日本では失われた二十年であり、規制緩和…
2017.3.20
大変なときに生まれたね
縦書き
 推理小説作家の横溝正史さんは、夏を軽井沢の別荘で過ごしていた。確か一九七五年の夏、横溝さんにインタヴューを受けてもらうために、僕は日帰りでその別荘を訪ねた。FM局の二時間番組の進行役、という仕事も当時の僕はこなしていた…
2016.9.9
どうだ、この美しさを見てくれ
 ドゥミタス一杯分だけのコーヒーをつくるコーヒーメーカーだ。出来ぐあいをよく見てほしい。ぼくはただみつけて買ってきただけだが、このくらいよく出来ていると、どうだ、この美しさを見てくれ、と自慢したくなる。イタリーのアルプ社…
2016.1.27
秩父がチャイチャイブーだなんて、すごいじゃないか
 ハワイに対するぼくのほうからの熱意や興味は、たいへんにトータルなものでありつづける。あのような興味深い場所ないし文化に対して、部分的にしか興味を持たないということは、すくなくともぼくの場合、ありえない。  そのトータル…
2016.1.2
[モールスキンの手帳]
 書きとめておきたいことはすべてなんでも書いておくことのできる、そしてそうしたければいつも身につけていることのできる、なんでも帳、大福帳としての手帳あるいは小型のノートブックとして、僕がもっとも好んでいるモールスキンの手…