882編公開中。 今を映す手鏡のように
『紙のプールで泳ぐ』 の一覧
2017.7.26
モノクロームはニューヨークの実力
縦書き
 アンドリアス・フェイニンガーが自ら編集した写真集『一九四〇年代のニューヨーク』は、ぼくにとっては一機の非常にすぐれた出来ばえのタイム・マシーンだ。一九四〇年代という時間はとっくに過ぎ去ってもうないし、現在のニューヨーク…
2017.7.9
紙のプールで泳ぐ
縦書き
 プールというものは、普通、そのなかに満たしてある水のなかで泳ぐためにある。プールで泳ぐといろんなふうに楽しいことは、すでに多くの人たちがよく知っている。プールで泳ぐと、気持ちよかったり、すこし悲しかったり、心が開いたり…
2017.6.9
ドナルド・ダックのほうがずっといい
縦書き
 ドナルド・ダックの鉛筆削り、というものをぼくは子供のころ持っていた。ドナルドの胸から上がかたどってあり、テーブルや台の上に固定して使うものだった。鉛筆をさしこむ穴はドナルドの上下のくちばしのあいだにあり、彼の頭のうしろ…
2017.2.26
六〇年代
 バード。ブーガルー。ブリストル・ストンプ。フレディ。フラッグ。ファンキー・チキン。ヒッチハイク。ハックルバック。ハリー・ガリー。ジャーク。リンボ。ロコモーション。マッシュド・ポテト。モンキー。ポニー。シンガリン。スロッ…
2017.2.18
三十日間で悲しみを克服する法
 できるだけニュートラルな視点や気持ちを持ってアメリカの町を歩いていると、これはまさにアメリカだなあとか、ほんとうにこれはアメリカ的だなあ、と思いつつかなりの感銘を受けてしまういろんなものが、目に入ってくる。場所がアメリ…
2017.2.16
理想主義の炎を燃やしつづけるために
 アレグザンドラ・ペニーが書いた『男の人への、してあげかた』という本は、一九八一年に刊行されてすぐにベストセラーの仲間入りをした。まだベストセラーのリストにのっているころ、ぼくはこの本を買った。ダスト・ジャケットのデザイ…
2017.2.14
愛と栄光のための戦い
 ロバート・B・パーカーの『愛と栄光』(邦訳はハヤカワ文庫『愛と名誉のために』)という小説をぼくは面白く読んだ。ロバート・B・パーカーが書く私立探偵スペンサーのシリーズは日本でも好評だが、この『愛と栄光』は、パーカーにと…
2017.2.7
カウボーイ・カントリーを夢に見ながら
 人は一生のあいだにいろんな場所を体験する。生まれ育ったところ以外の場所は、旅行で体験することが多い。仕事その他の都合で思いもかけなかったところに移り住む場合も、頻繁にある。  直接の体験以外に、間接的なかたちで、自分の…
2017.1.6
アロハ・シャツの歴史を旅する
 いまから十二年くらい前、アロハ・シャツの起源とその後の展開、つまりアロハ・シャツの歴史に関して、ぼくはハワイで調べたことがある。ふと思いつき、面白そうだったのでちょっとやってみたのだ。人を訪ねまわることはせずに、図書館…
2016.2.10
思い出すのはアメリカ式朝ごはん
 『アメリカン・フード(アメリカの食べもの)は、どんなふうでしょうか、ちょっと見てみましょう』というタイトルの、全四十四ページの本を、ぼくは手に入れた。みじかい解説文を読みながら、その文章にそえてある数多くの写真をはじめ…
2016.1.25
新品にはとうてい真似のできないこと
 ニューヨークで仕事をしている日本人女性の友人がかつてぼくに書き送ってくれた手紙の一節を、いまぼくは思い出している。ニューヨークにおける自分の日常生活のこまごまとしたいろんなことについて書いたなかに次のような一節があった…