882編公開中。 今を映す手鏡のように
『町からはじめて、旅へ』 の一覧
2017.1.2
貝がら売りの泣きむし男
 昔、プロペラ機で飛行場に着陸すると、すぐに、機内に、ハワイの香りをいっぱいにはらんだ空気が流れこんできたものだった。スチュワデスのアナウンスメントの最後につける「アローハ」のひと言も、雰囲気や抑揚が、本物のハワイ語だっ…
2016.12.30
ヒロの一本椰子
 昔のハワイ人たちは森林をおそれていた。メネフネなど、不思議な生き物が森のなかにたくさん住んでいるのだと信じていて、そのため、たとえば森のなかに住居をつくったりはせず、海岸の水ぎわの、森のないあたりに小屋を建てて住んでい…
2016.1.27
秩父がチャイチャイブーだなんて、すごいじゃないか
 ハワイに対するぼくのほうからの熱意や興味は、たいへんにトータルなものでありつづける。あのような興味深い場所ないし文化に対して、部分的にしか興味を持たないということは、すくなくともぼくの場合、ありえない。  そのトータル…
2015.10.21
祖父のポケット・ナイフ
 いまぼくはこのみじかい文章を、お気に入りの原稿用紙に鉛筆で書いている。鉛筆は、いつものステドラーの5Bだ。原稿用紙のすぐわきには、ポケット・ナイフがひとつ、置いてある。このポケット・ナイフについて、ぼくは書こうと思う。…