882編公開中。 今を映す手鏡のように
『彼らと愉快に過ごすー僕の好きな道具について』 の一覧
2016.10.21
電気なし、ロウソクだけ。家賃一年前払い
 外房の海から歩いて十五分ほどのところにある、すでに人の住まなくなった大きな農家に、ぼくはかつてひとりで住んでいたことがある。かやぶき屋根の、古風な農家の典型のような建物だった。ただ同然の安い料金を一年分、前払いし、その…
2016.10.19
ぼくがもっとも愛用している英語の辞書
 ぼくがもっとも愛用している英語の辞書が、これだ。1070ページあるペーパー・バックだ。何年か使ってふくらんできた状態で、厚さは45ミリある。このくらいの量感があると、視覚的にも感触的にも、信頼感は充分にある。内容も、素…
2016.9.26
これ以上なにも言うことはない
 ロング・ノーズ・プライアー。ニッパー。そして、カッター部分のついたペンチ。この三点だ。セットではなく、ぼくはひとつずつ手に入れた。西ドイツ製だ。高級なものではないと思うが、出来ばえは美しい。どれもみな、たいへんな働き者…
2016.9.10
なんの変哲もない白いコーヒー ・カップと受け皿
 なんの変哲もない白いコーヒー・カップと受け皿、というものを、かねてよりぼくは捜している。熱心に捜しているわけではないし、妙に執着しているわけでもない。ときたま思い出し、どこかにいいのはないだろうかと思ったりする程度だ。…
2016.9.9
どうだ、この美しさを見てくれ
 ドゥミタス一杯分だけのコーヒーをつくるコーヒーメーカーだ。出来ぐあいをよく見てほしい。ぼくはただみつけて買ってきただけだが、このくらいよく出来ていると、どうだ、この美しさを見てくれ、と自慢したくなる。イタリーのアルプ社…
2016.7.25
幸せは一枚の白いTシャツ
 ヘインズの T シャツだ。三枚でひとつのセットとして、袋に入っている。袋から出し、一枚をはがすようにして取るときの感触は、面白い。生地は薄く、しなやかで、新品を最初に着たときは、じつに心地がいい。こういう感触の T シ…
2016.6.22
シャッター・ボタンの色が、なんとも言えず好ましい
 グラス・ファイバーで補強したマクロロンという材料で作ったボディだそうだ。レンズは、2.8のF=35ミリだ。ボディの横幅は10センチ、高さが6センチ、そして厚みは3センチという、可愛らしいサイズだ。レンズは沈胴式だから、…
2016.4.26
メモ・パッドに文化の質を認識する
 ロジャというブランドの、フランス製のメモ・パッドは、じつによく出来ている。いちばん小さいサイズは11番といい、これは掌のなかにおさまる。もっとも大きいサイズのものを、デスクに横に置いて目のまえに開くと、その長方形の広さ…
2016.4.25
手帳に書くことなんてなにもない
 ぼくがいま使っているダイアリーの、四月二十五、二十六、二十七日の、クロースアップだ。このダイアリーでは一日が一ページであり、したがって二日を経過すると、右のページの右下の隅を、カーヴして入れてあるミシン目から切りとる…