882編公開中。 今を映す手鏡のように
『彼らと愉快に過ごす──僕の好きな道具について』 の一覧
1 2
2017.9.29
いつ見ても千万両の、いい猫だ
縦書き
 ぼくにとってたいへんに大事な、そしてたいへんに好きな、とある町の茶碗屋さんのような店でぼくが買った招き猫だ。もう二十年ちかく、この猫はぼくといっしょにいる。いつ見ても千万両の、いい猫だ。名前はまだない。 底本:『彼らと…
2017.7.27
スラックスからショート・パンツへ。世界は一変する
縦書き
 かなり以前にみつけて気にいっている、ショート・パンツだ。ポリエステルが62パーセント、コットンが33パーセント、そしてスパンデックスが5パーセント、という生地だ。スパンデックスのおかげで、生地ぜんたいがストレッチする。…
2017.7.22
沢水を満たし、小さな花をひとつ浮かべる
縦書き
 アーリー・ウインターズ社で買った透明なビニールの洗面器だ。折りたたんで平たくなっているのを広げ、そこへ水を満たす。外へ広がる水の重さによって、底は平らになり、壁は垂直に立つ。ぜんたいが透明だから、沢水をくんできて満たす…
2017.6.27
日常からひょいと離れてテントのなかへ
縦書き
 正面がAフレームになっている、フロント・エントリーのふたり用のテントだ。適当な草地に張ったところを写真に撮るのも普通すぎるので、収納用の袋におさまっている様子を、写真に撮ってみた。テントの全長は8フィート6インチ、そし…
2017.6.17
蛇の目をさして歩ける道はないか
縦書き
 蛇の目が、三本。どれもみな、いくたびに、京都で買った。買ったまま、使わない。ふさわしいチャンスがない。手に持った感じは、とてもいい。匂いもいい。開いていき、開ききってストッパーがかかるときの音も、いいものだ。そして、開…
2017.6.12
スミス・コロナとクールにさしむかい
縦書き
 ぼくの、現在のタイプライターが、これだ。スミス・コロナのXE6000。これがないと、ぼくの日常のなかのかなりの部分が、にっちもさっちもいかなくなる。  ぜんたいのデザイン、反応の速度、操作音、キーのタッチ、印字の美しさ…
2017.4.6
ボールペンはこれにつきる、とぼくは思う
 デザイン的にも、そして性能においても、ボールペンはこれにつきる、とぼくが思っているボールペンは、スイスのカラン・ダッシュだ。写真に登場しているのは、やや重厚な雰囲気のあるモデルであり、おなじスタイルでエナメル塗装のよう…
2017.4.5
彼女の手にもうすこしましな手帳を
 あるひとりの女性とさしむかいにテーブルについているとき、その彼女が手帳をとり出したなら、ぼくはやはりその手帳を見るだろう。しっかり見てやろう、などとは思わないが、目のまえで彼女が開いて見ているのだから、ぼくにも見えてし…
2017.4.4
方眼のノートのなかには自由が広がっている
 方眼のノートが好きだった女性の友人を思い出す。縦の線も横の線も無視して、方眼の上に自由に文字や図を描くのはたいへんな快感なのだと、彼女は言っていた。あらゆるノートが、彼女の場合は方眼であり、手紙もそうだった。  ぼくも…
2017.4.3
置きかたもセンスのうち、とぼくは思う
 ぱっと見たときの第一印象。デザイン。質感。持ったときの感じ。どこかに置いたときの雰囲気。黒とグリーンの色のとりあわせかた。秒針の色。文字盤のデザイン。ふたを閉じたときの様子。開いていくときの感触。アラームの音。GMTを…
2017.2.23
記号を頼りに旅をはじめる
 ランド・マクナリーの道路地図だ。アメリカ合衆国を自動車で旅行するとき、この地図は欠かせない。旅行するたびに、あるいは、新しい版が出るたびに買っているから、すでに何十冊もたまっている。  人間が作ったハイウェイや町なども…
2017.2.21
黄色い鉛筆を手に冴える頭
 アン・モロー・リンドバーグの『海からの贈り物』という本は、ぼくの大好きな本のひとつだ。この本の、いちばんはじめにある短いまえ書きのような文章のなかに、I think best with a pencil in my h…
1 2