972編公開中。 今を映す手鏡のように
『ノートブックに誘惑された』 の一覧
2017.2.19
彼らが愛する女性たちの外観
ー 1 ー 『エスクワイア』のアメリカ版一九九一年八月号に、写真によるアメリカ女性のポートフォリオ、という記事があった。さまざまな写真家に依頼して撮ったアメリカ女性の写真二十六点が、三十ページにわたってならべてあるという…
2016.12.4
ノートブックに描いた風景画|9〜13
 9  精悍な印象を全身にたたえた馬だ。だが、表情はきわめておだやかだ。悟りきった果てに到達したひとつの境地のような顔で、コンクリートの歩道を静かに歩いた。  馬にまたがっているのは、ナヴァホの若い女性だった。身につけて…
2016.12.3
ノートブックに描いた風景画|5〜8
 5  セヴン・アップとドクタ・ペパーの、横長の看板が、上下にならべて、白い壁に釘で打ちつけてあった。  その二枚の看板のすぐ右わきに、彼は立っていた。背丈は五フィート九インチくらいだろうか。へア・グリースを使ってものの…
2016.10.8
一冊のペーパーバックは、日常ではない時間の象徴だ
 英語による僕の読書はペーパーバックに限られていると言っていい。不特定多数を相手にしたマス・マーケット用のいわゆるペーパーバックと、読者が多数であるにこしたことはないけれど不特定ではあり得ないクオリティ・ペーパーバックの…
2016.9.16
ハワイみやげの作りかた─その完璧な一例
 二月のなかば、西へむけて疾走する退屈なひかり号の二階建てのグリーン席で、 「来月、『エスクァイア』の仕事で、ハワイへいくんですよ」  と写真家の佐藤秀明さんが僕に言った。『エスクァイア』とは、この雑誌[初出時の掲載媒体…
2016.5.20
ローマ字で書かれた駅名、という謎
『ザ・トーキョー・トランジット・ブック』というタイトルの、 八十四ページの小さな本は、たいへんに感動的だった。  日本語はさっぱりわからないけれど英語は自由になる人たち、つまり外国の人たちのために、東京の交通機関について…
2016.1.14
最終的な課題はぜんたいのスペースだ
(Heidi Goennel, My Day, Little Brown & Co, 1988)  ヘイディ・グーネルの絵本『マイ・デイ』は、くすんだ金髪を二本のおさげに編んだ少女の一日を描いている。ある日、朝起…