972編公開中。 今を映す手鏡のように
『コーヒーもう一杯』 の一覧
2017.1.26
彼女は『ラスト・ショー』の町に生きる
『ラスト・ショー』という映画があったのを覚えているだろうか。ピーター・ボグダノヴィッチ監督がつくった白黒スタンダード画面のアメリカ映画だ。  封切り公開されてからもうかなりの期間がたっているが、観た人たちの心には深い印象…
2016.11.26
日本語のお勉強
 ぼくのアメリカ人の友だちのひとりが、いま日本語を勉強している。ときたまぼくが辞書がわりになったり、先生役をつとめたりする。日本語を外国語として勉強している人の、その勉強ぶりを目のあたりに見るのは、きわめて面白い体験だ。…
2016.8.23
あの夏の女たち
縦書き
 まずはじめに、彼女の頭が見えた。海の水に濡れた髪が、うなじにはりついていた。すんなりとした首と、ひきしまって無駄のない肩が見えた。それから、胸の三角形の小さな布きれと細いひもの組み合わせでできているビキニ・トップの胸が…
2016.6.9
雨の夜のドライ・ジン
 ドライ・ジンを飲んだのがいけなかった。しかも、夜中の二時だ。こんな時間まで起きていることは、ぼくの日常生活のなかには、あまりない。そして、夜中の二時に、室温の、したがってほんのりと生あたたかい感じのするドライ・ジンをス…
2016.4.29
お月さまはベルベット
 五月のゴールデン・ウィークがはじまるまえの日に、友人が遊びにきた。友人は、オートバイで、やってきた。たまたま庭に出ていたぼくは、下の私道に入りこんでくる彼のオートバイの排気音を聴いた。排気音は、ぼくの家の階段の下で、と…
2016.3.9
オン・ロード
 道路は、たしかに、きわめて日常的で陳腐な光景だ。  だが、ひとたびオートバイにまたがって走れば、魔法のサーキットになる。  道路がただ道路でしかない人に、魔法のサーキットについていくら語っても、らちはあかない。  しか…
2015.10.26
ホノルル・ブックストアへ歩くまでに
縦書き
 リチャード・ブローティガンという作家の『アメリカの鱒釣り』について、その本を実際に自分で手に入れる以前に、なんらかの情報源をとおして、多少は知っていた。まったく面白い作品であるとか、素晴らしい試みであるとか、あるいは、…