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評論・エッセイ

祟りとハンカチとマスタード

 二〇〇四年十月二十日のアメリカン・リーグ優勝決定戦で、ニューヨーク・ヤンキーズはボストン・レッドソックスに敗れた。こういう大事な試合のTV中継では、観客が掲げ持つプラカードを見逃さないようにするのも、楽しみのひとつだ。ヤンキーズとレッドソックスとの試合では、curseという言葉を使ったプラカードが多かった。日本のTVその他では、呪い、と翻訳されたようだが、ここでは、祟り、のほうがいいだろう。
 ベーブ・ルースはボストン・レッドソックスのプレーヤーだった。一九二〇年にレッドソックスは彼を金銭トレードでヤンキーズに放出した…

底本:『白いプラスティックのフォーク──食は自分を作ったか』NHK出版 2005年
初出:「先見日記」2004年10月26日

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