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評論・エッセイ

ターザンが教えてくれた

 子供のころ、ぼくはほんとうによく遊んだ。年上の少年たちといっしょに、一人前にとびまわって遊べるようになったのが、小学校1年生くらいのときだろうか。それから12歳くらいまでの全期間をとおして、ぼくは子供の遊びを徹底して遊んだ。子供のころというと、ぼくは、遊びほうけたことしか思い出さない。12歳をすぎたころからは、もうすこし大人びたというか、十代の少年的な遊びに移っていった。
 ぼくが子供だったころというと、すでにかなり昔のことになる。進学のためのテストとか猛勉強、塾などまったく影もかたちもなかった時代であり、子供に課せら…

底本:『ターザンが教えてくれた』角川文庫 1982年

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