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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

ソリュブルと名を変えていた

 その広いスーパーマーケットの半分は「奥」と言っていいスペースで、そこには棚がたくさんあった。ほどよい奥行きと幅の、高さもちょうどよい加減のおなじ棚がいくつも何列にもならんでいた。どの棚にも食料品がぎっしりと詰まっていた。その食料品のいっぽうの端がペットフードだとすると、もういっぽうの端には介護食があり、その中間にたくさんあるのは、いまのところまだ大丈夫な人たちの、今日も今日とてこのようにある、という種類の日常を維持するためのものであり、それをそのまま未来に投影するとサステイナブル・フューチャーになるなど、とうてい無理な話だなどと思い…

底本:『酒林』2017年1月号

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