882編公開中。 今を映す手鏡のように
2015.12.27
プラモデル
 国電の駅を出てから踏切まで、どんなところをどのような経路で歩くのだったか、もう覚えていない。  現場へいって実際に歩いてみれば、思い出すだろう。しかし、あの頃からもうすでに十年以上が経過しているから、現場のほうだってず…
2015.12.26
課題人生論
『新しい年を迎えるにあたっての人生訓。生涯を決めるこの一点』というテーマで、2000字の文章をこれから書く。2000字といえば400字詰めの原稿用紙で5枚になる。入学試験や入社試験のときに出題される課題作文ないしは論文だ…
2015.12.25
これがクリスマスの物語
 クリスマス3日前のアメリカ本土に僕は到着した。もっと早くに来る予定でいたのだが、途中のハワイでのんびりし過ぎてしまった。  サンディエーゴの空港に着陸するとき、PAをとおして乗客に挨拶する機長が「良きホリデー・シーズン…
2015.12.24
あの夜はホワイト・クリスマス
 あの年のクリスマス・イヴには、彼はオートバイで山のなかを走っていた。夜のまだ早い時間に峠道に入り、対向車も後続車もまったくない、彼だけのワインディング・ロードを気分よく走っていた。猛烈に寒いのだが、ときたまオートバイを…
2015.12.23
クリスマスと五人の娘たち
 ある年のクリスマス近く、アメリカのまんなかあたりにある中くらいの町にぼくはいました。町の百貨店は、クリスマスのショッパーたちでにぎわっていました。カードの売場で色とりどりのクリスマス・カードをながめていたぼくに、カード…
2015.12.22
知らぬ町 雨の一日 冬至なり
 季節感を楽しむために日本はある、と僕は信じている。日本は季節変化の国だ。1年365日のなかで、四つのまったく異なった季節が、完璧にひとめぐりする。世のなかは三日見ぬ間の桜かな、という言葉がある。これを文字どおりに解釈す…
2015.12.21
1400兆円分の身の危険
 個人の金融資産、つまり簡単に言うと貯金が、日本ぜんたいでいま千四百兆円あるという。「すごいね。それだけのかねがあれば、日本はまだまだ大丈夫だよ」などと言う人が、庶民や学者、政治家など、あらゆる領域にいる。人々がこれだけ…
2015.12.20
サンフランシスコ湾ブルース
 フィービ・スノウのLP『フィービ・スノウ』を、AB両面、聞きおえたばかりだ。  音の印象は、かなり素敵だと言える。ほんのわずかに、しかしはっきりと、ブルーに内向していく雰囲気をたたえつつ、ぜんたいはすっきりとメランコリ…
2015.12.19
おそすぎたラブレター
 古い教科書の表紙をあけると、最初の白いページに、先生のお名前が鉛筆で書いてあります。黄色く変色してしまったページに、当時のぼくの筆跡で、ミス・キャシー・ブルックス、とだけ、力をこめて書いてあります。順おくりに何回もおさ…
2015.12.18
発情期少年の興味にこたえて、アメリカのSFがはじまった
 アメリカでは、一九三〇年代からずっと、SFが娯楽のジャンルとしてつづいてきている。いま急にブームになったものではないのだ。  アメリカのSFは、どんなところにそのルーツを持っているのだろうか。エドガー・アラン・ポー、ジ…
2015.12.17
恋愛小説のむこう側
 ごく普通のスタイルで小説を書こうとするとき、主人公という役をつとめてくれる女性と男性を、ひとりずつ作らなくてはいけない。このひと組の男女がなんらかの関係を作り、その関係を変化させ、変化は何重にも重なり、その重なり合いの…
2015.12.16
海岸の古びた一軒家でソリッドな食事をし煙草をすわない
「サーフィンは単なるアウトドア・スポーツではない。ウェイオブ・ライフなのだ」とか「サーフィンはトータルなライフ・スタイルだ」と、アメリカ製のサーフィン映画のなかでナレーターがいつもくりかえしている。そのとおりだ。サーフボ…