881編公開中。 今を映す手鏡のように
2018.5.25
巨匠と名優の軌跡の合流を読む幸せ
縦書き
〈書評〉グレン・フランクル著 高見浩訳『捜索者 西部劇の金字塔とアメリカ神話の創生』 『捜索者』という題名のこのノンフィクションを読んでいく読者が次々に体験する発見は、『捜索者』というおなじ題名のアメリカ映画に向けて、す…
2018.5.23
姿を隠したままの存在に気づこう
縦書き
〈書評〉朝日新聞出版編『復刻アサヒグラフ昭和二十年 日本の一番長い年』  とっくに姿を消していまはもうない『アサヒグラフ』は、1923年、大正12年に、驚くべきことに無休の日刊タブロイドとして、創刊された。多くの写真に説…
2018.5.21
自己啓発本が前提としているもの
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〈書評〉牧野智和著『日常に侵入する自己啓発 生き方・手帳術・片づけ』  講演や講習会、セミナー、ワークショップなどを経由してではなく、書店で販売されている書籍をとおして指南される、自己啓発について考察した本書は、いろんな…
2018.5.18
ポテトでアメリカ文化が手に入る幸福
縦書き
〈書評〉マーナ・デイヴィス著 伊丹十三訳『ポテト・ブック』復刊版  ポテトの原産地はペルーだ。南米にあった独自の文化に侵略したスペイン人たちによって持ち帰られ、スペイン、アイルランド、プロシヤ、イングランド、スコットラン…
2018.5.16
報道だからこそいまも魅力を失っていない
縦書き
〈書評〉木村伊兵衛著『木村伊兵衛のパリ ポケット版』  パリのパリらしさをよく知っている日本女性に、本書『木村伊兵衛のパリ』を見てもらった。彼女は木村伊兵衛の名を知らないわけではない。彼が撮影した日本の職人や戦前の東京の…
2018.5.14
一万年前から続く猫と人間の関係を喜ぶ
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〈書評〉山根明弘著『ねこの秘密』 「実は、ねこという動物は、人類が誕生した時点では、地球上には存在していませんでした。ねこは人間が時間をかけてつくりだした、犬や豚、牛や鶏と同じ『家畜』のひとつです。犬はオオカミの仲間から…
2018.5.11
もはや社会そのものが機能しなくなるのか
縦書き
〈書評〉スーザン・ジョージ著 荒井雅子訳『金持ちが確実に世界を支配する方法』  規制緩和、という四文字言葉を目にし耳にして、すでに久しい。二十年にはなるだろうか。この二十年といえば、日本では失われた二十年であり、規制緩和…
2018.5.9
名曲を生み出したスリルに満ちた共同作業
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〈書評〉佐藤剛著『「黄昏のビギン」の物語』 『黄昏のビギン』という歌謡曲は一九五九年、昭和三十四年、水原弘の二枚目のシングル盤レコード『黒い落葉』のB面として発売されたものだ。『黒い落葉』は一枚目の『黒い花びら』のような…
2018.5.7
遺構の下には歴史の論理が埋まっている
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〈書評〉丸田祥三 写真と文『東京幻風景』 『東京幻風景』という題名のなかにある、幻、というひと文字は、安易にみつくろった言葉のように思えなくもない、と僕は余計な心配をする。幻風景とはどのような意味なのか、著者が「はじめに…
2018.5.4
江戸人にみる虚構の楽しみかたの極意
縦書き
〈書評〉アダム・カバット著『江戸の化物 草双紙の人気者たち』  雨のそぼ降る寂しい夜、異様に大きな頭に竹の子笠をのせ、着物一枚に帯をしめて素足にわらじを履き、漆塗りの丸盆に紅葉の印のついた豆腐を一丁のせて手に持ち、もうい…
2018.5.2
まことの人生の喜怒哀楽はどこへ消えた?
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〈書評〉小沢昭一著『写真集 昭和の肖像〈町〉』 「写真館の息子・小沢昭一が撮った、路地裏、都電、浅草界隈、色町、旅先、看板……。町と人の表情、にじむ昭和の心。」と、帯に印刷してある。『写真集 昭和の肖像〈町〉』は、このと…
2018.4.30
三角形は不思議で美しく、そして怖い
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〈書評〉細矢治夫著『三角形の七不思議』  僕がまだ学童だった頃、支給されたのかそれとも買ったのか、良き学童が持つべき学用品が何種類かあり、どれもみな平々凡々たるもので学童の興味は惹かなかったが、ふたつでひと組の三角定規だ…