972編公開中。 今を映す手鏡のように
2004年 の一覧
2016.7.23
大統領命令と日本
縦書き
 アメリカの大統領はミスタ・プレジデントであると同時に、コマンダー・イン・チーフでもある。コマンダー・イン・チーフとは、陸軍、海軍、空軍、海兵隊など、全軍の最高指揮官という意味だ。だからホワイト・ハウスつまり時の政権は、…
2016.7.22
庶民の不安はどこから
 庶民、という言葉に別の言葉がつき添うものの言い方に、どのようなものがあるか。名もなき庶民、というのは代表格だろう。名は誰にもあるのだが、名もなき人々、つまり無言無抵抗の存在としてひとくくりにされて放り出されている人たち…
2016.7.19
身を守ってくれる日本語
 昭和二十年代から三十年代いっぱい、そして四十年代の後半に入るあたりまでの期間に製作・公開された日本映画を、僕はヴィデオで少しずつ見ている。趣味のひとつだと言っていい。この期間は僕にとっては、子供から少年へと成長していっ…
2016.7.17
東京の隙間を生きる
 東京に生まれた僕は四、五歳くらいまでそこで育った。それから十年近く東京を離れたあと、戻って来てから現在まで、ずっと東京にいる。故郷はどこですかと訊かれたら、東京ですと答える。そこしかないという意味もあるが、東京をなんと…
2016.7.10
この国の動きかた
 政府が提出していた有事法制関連三法案が、第一五六回国会で成立することが確実になった。五月十四日、小泉首相は官邸で次のように語った。「これまでは有事を論議することすらタブーだった。それなのにいま、有事立法をめぐって、与党…
2016.6.18
海苔を巻いたおにぎりの謎
縦書き
 つい先日、残暑が続く平日の午後、いつもの私鉄の電車に乗って、僕は新宿に向かった。空いている席があったので僕はそこにすわった。電車のなかで僕は本を読んだりしない。その反対の居眠りもしない。いっぽうの極に読書があり、もうい…
2016.6.14
虚構のなかを生きる
 写真機を持って東京のあちこちを歩いているとき、僕は歩くことと考えることしかしていない。だからそのときの僕は人生時間のただなかにある。僕は人生時間と一体化している。そしてその僕は、これは写真に撮っておきたい、と思う光景を…
2016.6.12
雨の京都で下書きをする
 久しぶりに万年筆を買った。  僕との相性の良さを中心に、いくつかの条件をもっとも高いところで満たしているのはペリカンだから、今回もペリカンにした。まったくおなじ種類のを三本。軸もキャップも透明なプラスティックで出来てい…
2016.5.29
流域は文明の発祥の地
二〇〇四年二月三日  チグリス・ユーフラテスと片仮名書きされた固有名詞を、僕はいまでも記憶している。学校の世界史の授業で教わった。中学だったと思う。そして教科書の発行元は山川出版ではなかったか。チグリスではなく、当時はテ…
2016.5.26
日米関係は四文字熟語か
二〇〇三年十二月十五日*本文末尾「まえがき」参照  一九四五年八月二十八日。日本を占領する連合国の先遣隊が、厚木の飛行場に到着した日だ。そして三十日、その連合軍の総司令官であったマッカーサー元帥が、おなじく厚木飛行場に降…
2016.5.15
戦後日本の転換点
 戦後の日本にとっての最大の安全保障は、安保を軸にした日米軍事同盟の維持、そして近年ではその拡大だと言われてきた。日本と近隣諸国とのあいだの、政治的あるいは経済的その他すべての、ひとまずは安定した関係は、日米同盟という軸…
2016.5.8
お母ちゃんという人
 僕にはお母ちゃんがいない。母親を呼ぶときの言葉は、僕の場合、最初から最後まで、お母さんだった。自分のことをお母さんと呼ぶようにと、母親はまだごく幼い僕をしつけたのだ。まだなにもわからないけれど、言葉らしきものはなんとか…