884編公開中。 今を映す手鏡のように
本を読め の一覧
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2018.2.7
「グレーテスト・ヒッツ」
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 昨年の夏、真夏日の夕方、僕はひとりで新宿を歩いていた。新宿駅の南口から道を渡り、サザン・デッキとかいう通路をその奥に向かいながら、僕の頭のなかには、とりとめなくいろんなことが浮かんでは、消えていた。前後の脈などまったく…
2018.2.5
「フラッグス オブ アワファーザーズ」
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 日本軍の守備隊が守る硫黄島を奪取するため、グリーン・ビーチと自ら名づけた海岸にアメリカの海兵隊が上陸したのは、一九四五年一月十九日のことだった。そして三月十二日、二万二千名もの日本兵のほとんどを戦死させて、アメリカ軍は…
2018.2.2
「ベイト・アンド・スイッチ」
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 この連載の第三回目で、バーバラ・エイレンライキの『ニッケル・アンド・ダイムド』というノン・フィクションをとりあげた。そのすぐあとに翻訳が出た。いくら働いても生活の状況は劣悪さを増していくだけという、最低賃金以下で仕事を…
2018.1.31
「フオー・ラブ・オブ・ザ・ゲーム」
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 マイケル・シャアーラのこの小説の書評がかつて『ロサンジェルス・タイムズ』に掲載された。その書評のなかのひと言が、写真にあるペーパーバックの裏表紙に、宣伝文句として引用してある。「アーネスト・ヘミングウェイが野球をテーマ…
2018.1.29
「リーヴィング・ホーム」
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 タイトルのリーヴィング・ホームは、直訳的な理解だと、家を去る、という意味だが、このアニタ・ブルックナーの二〇〇五年の小説の文脈では、家を出る、と解釈しておくといい。そしてこの場合の家とは、母親と同義だ。母親といっしょの…
2018.1.26
「ワンス・アポナ・タウン」
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『ワンス・アポナ・タウン』というノン・フィクションは、二〇〇二年に刊行されたボブ・グリーンの作品だ。次の年にペーパーバックになったのを、僕は今年の春に手に入れた。ワンス・アポナ・タイム(昔々、あるとき)という定型の言いか…
2018.1.24
「ファン」
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 ニューイングランドの小さな町に住んでそこを根拠地点とし、近隣一帯を自分の営業担当範囲に持って、ナイフの歩合セールスマンをしている、四十二歳のギル・レナードという白人男性が、この小説の主人公だ。題名の『ファン』とは、片仮…
2018.1.22
「ヨコタ・オフィサーズ・クラブ」
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 アメリカの軍事力を、攻撃力のきわめて高い数多くの基地という、もっとも端的なかたちで国内に持ちながら、戦後の日本は独立し、国際社会へ復帰した。その戦後日本の憲法にうたわれている、戦争の放棄という条項のかわりに、同盟国であ…
2018.1.19
「ニッケル・アンド・ダイムド」
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 題名のなかにある「ニッケル・アンド・ダイム」という言葉は、文字どおりには五セントそして十セントの硬貨のことだが、通常は意味がもう少し広く、小銭、はしたがね、といった意味だ。これが動詞として使われていて、なおかつここでの…
2018.1.17
「ザ・コンプリート ピーナッツ」
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 チャールズ・M・シュルツがその生涯にわたって描き続けた『ピーナッツ』という新聞連載漫画の、コンプリート・コレクションがアメリカで刊行されつつある。  ファンタグラフィックス・ブックスという出版社から、すでに四冊、出てい…
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