973編公開中。 今を映す手鏡のように
戦争 の一覧
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2017.8.6
袋小路の居心地
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 十一月二十七日、陸自の調査団の一部がイラクでの調査を終えて、日本へ帰って来た。残りの人たちは引き続きクエートにとどまり、イラクの情勢を観察するという。自衛隊の派遣予定地とされているイラク南部のサマワは、治安が比較的良好…
2017.8.3
競争の時代とはなにか
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 ある日いきなり、日本は競争の時代に入った。この数年という、ごく最近の出来事だ。厳しい競争そのものである市場原理のなかで鍛えられ、そこで常に競争にさらされ、生き残る人が残っていく、勝つ人が勝つ。競争は国内だけではない。国…
2017.8.2
団塊の世代という戦後日本
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「あと数年で団塊の世代が日本の会社世界の現場を去っていく。いまも企業に根強く残る男社会と、それにつきもののセクハラとが、団塊の世代とともに消えていく」という趣旨の文章を、二〇〇二年の確か後半、新聞の短い記事のなかで僕は読…
2017.6.24
波止場通りを左に曲がる
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 デビューしてまだ間もない頃の美空ひばりを、何点もの写真で見ることができる。多くの写真に彼女は撮られ、それはさまざまな刊行物のなかに複製されている。そのような写真を数多く見ていくと、やがてはっきりわかってくることがひとつ…
2017.5.3
「解釈憲法」の命日となる日
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二〇〇三年十一月十九日  一九四六年の六月、当時の吉田首相は、「憲法第九条は自衛権の発動としての戦争も交戦権も放棄した」と明言している。日本でいまだに続いている「解釈憲法」の歴史は、このあたりから始まった。二年後、一九四…
2017.4.26
『山の音』
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──失われた日本、消えた昭和。半世紀以上も前の映画に触発されて蘇る、淡い記憶の数々。  一九三五年(昭和十年)に『乙女ごゝろ三人姉妹(きょうだい)』、そして一九五一年(昭和二十六年)には『舞姫』と、成瀬巳喜男は川端康成の…
2017.4.10
ガールたちの戦後史
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 ガールという言葉は、それ単独では、日本語として定着していない。日本におけるガールの始まりはモダン・ガールだと思うが、たとえばこの例のように、なにか別の言葉と結びついて、ガールは日本語のなかに組み込まれてきた。このモダン…
2017.3.27
あのトースターの謎を解く
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 一九五十年代のなかばに自宅で使っていたトースターを、解けないままに残ったひとつの小さな謎として、いま僕は思い出している。アメリカ製であったことは間違いない。確かサンビームという会社のものだったと思う。本体の両端に底と一…
2017.3.21
四歳の子供がそれを見た
       二〇〇二年のひときわ暑かった夏に、三〇〔写真・右〕そして三一ページ〔同左〕*にある光景を、僕は写真に撮った。さかのぼること半世紀以上、一九四四年、僕が東京の目白で四歳の子供だった頃、乳母に手を引か…
2017.3.20
大変なときに生まれたね
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 推理小説作家の横溝正史さんは、夏を軽井沢の別荘で過ごしていた。確か一九七五年の夏、横溝さんにインタヴューを受けてもらうために、僕は日帰りでその別荘を訪ねた。FM局の二時間番組の進行役、という仕事も当時の僕はこなしていた…
2017.3.10
白い縫いぐるみの兎
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 一九四五年の二月の後半、五歳の子供だった僕は、両親とともに東京駅から汽車に乗り、途中で一度も乗り換えることなく、東海道線そして山陽本線とたどっていき、山口県の岩国に到着した。汽車のなかで一泊し、合計では二日以上かかった…
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