882編公開中。 今を映す手鏡のように
少年時代 の一覧
1 2 3
2015.12.19
おそすぎたラブレター
 古い教科書の表紙をあけると、最初の白いページに、先生のお名前が鉛筆で書いてあります。黄色く変色してしまったページに、当時のぼくの筆跡で、ミス・キャシー・ブルックス、とだけ、力をこめて書いてあります。順おくりに何回もおさ…
2015.12.5
ドーナツの穴が残っている皿
 僕の記憶が正しければ、僕はこれまでにドーナツの穴を二度、食べたことがある。ドーナツではなく、そのドーナツの穴だ。あの穴は、ちょっとした工夫によっては、食べることが出来る。  僕が最初に食べたドーナツの穴は、子供の頃、友…
2015.12.2
地球を照らす太陽光の純粋な原形
 子供の頃から現在にいたるまで、僕はアメリカの雑誌『ナショナル・ジオグラフィック』の愛読者だ。好きな雑誌を一種類だけ選べと強制されたなら、僕は『ナショナル・ジオグラフィック』を選ぶだろう。  もの心がついたとき、この雑誌…
2015.11.20
子供のままの自分
 僕はじつは子供のままだ。子供の僕とは、五歳くらいから十七、八歳くらいまでの、十年を少しだけ越える期間にまたがる僕だ。その僕がいまもまだ僕のなかにいる。ああ、こういう自分は五、六歳の頃の自分とまったく変わらないな、と思う…
2015.11.19
爆弾の穴について思う
縦書き
 畑にできていた爆弾の穴について、いま僕は思っている。日本が太平洋戦争に大敗北する前年の春先から、昭和二十二年の夏の終わりまで、五歳から八歳までの四年間、僕は山口県岩国市の瀬戸内に面した町で過ごした。米軍による爆撃が激し…
2015.11.17
ターザンが教えてくれた
 子供のころ、ぼくはほんとうによく遊んだ。年上の少年たちといっしょに、一人前にとびまわって遊べるようになったのが、小学校1年生くらいのときだろうか。それから12歳くらいまでの全期間をとおして、ぼくは子供の遊びを徹底して遊…
1 2 3