883編公開中。 今を映す手鏡のように
エッセイ・コレクション の一覧
2017.5.18
『メイン・テーマ3』
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『桔梗が咲いた』よりも前、一九八六年の一月に、『メイン・テーマ3』という小説が、おなじく書き下ろしとして角川文庫から刊行されている。このなかにオートバイに乗った人が出ているはずだ、と思って僕はページをくっていく。『メイン…
2017.5.17
『桔梗が咲いた』
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 オートバイを探して自分の書いた角川文庫をさらに過去に向けてさかのぼると、一九八六年の十一月に刊行された書き下ろしとして、『桔梗が咲いた』という中編を僕は見つける。どんなストーリーだったかいっさい思い出せないが、ここには…
2017.5.16
『長距離ライダーの憂鬱』
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 この『雨降り花』*が編中編として出て来る『波と風のグッド・ニュース』は、今年つまり一九九五年の四月に本になっている。最後の部分である『雨降り花』を書いたのは、だから春先ではなかったか。それ以前に、オートバイの出て来る小…
2017.5.15
『江戸でシャンペイン』
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 僕がこの文章を書いているいまは、一九九五年の十二月だ。ついでに日付と時間を書いておこう。十五日の午後五時三十分だ。いまとはいったいいつなのか、はっきりさせておきたい、と僕は思う。このいまから見て、僕がもっとも最近になっ…
2017.5.7
風をかっさらうようにして、チョッパーがハイウエイをまっすぐに飛んでいく。よく冷えたバドワイザーが手近にある
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 アメリカのチョッパー乗りたちのための専門誌『イージーライダーズ』が、いまでも健在だ。創刊されてすでに十数年になる。カリフォルニアのフレズノという町のドラグストアで見かけたときは、飛びつく、という感じで買い、読んだのを、…
2017.5.2
ホンダの90CCでマイアミからLAまで走ったら、ガソリン代はなんと二十ドルだったというハイウエイ・ストーリー。
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 ホンダのスーパーカブC90から発展していった軽量のトレール・モデルに、CT90というバイクがあった。一九七四年ごろにはリアの左側に丸い補助タンクがつき、完全防水のエア・クリーナーとなり、エンジンを水没させても走行ができ…
2017.5.1
風景のなかにむき出しでほうり出されて
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 ロード・マップに印刷された道路をぼんやりとながめているだけで、かつて体験した旅を、次から次へと、思い出す。  高速の長距離バスで走りぬけてしまうなんて、ほんとによくない。どうしてもバスをつかうなら、町へ着くたびに降りて…
2017.4.30
シジミ汁のシジミを数えよう!
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 三等船客のための簡素な日本食の食事に味噌汁がついていた。その味噌汁がもしシジミ汁であったなら、まず、味噌汁の大なべのなかから、シジミだけをしゃくしですくいあげて器に移した。大なべのなかにあるシジミぜんぶを、器に移すのだ…
2017.4.29
憧れのハワイ航路
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「チャイチャイブー」のひと言がなぜぼくにとって衝撃的であったかについて書くまえに、秩父丸に三等客として乗るとどのような感じであったかに関して、明らかにしておかなくてはならない。すべては有機的に複雑に連関している「チャイチ…
2017.4.11
東京で電車に乗ると、なにが見えますか
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 結婚式場の広告ポスターを、僕は以前から興味を持って観察している。東京だと、結婚式場の広告ポスターは、電車のなかに特に多い。  文字だけで構成したポスターは皆無だと言っていい。結婚した女性が手に入れるはずとされている幸せ…