981編公開中。 今を映す手鏡のように
片岡義男エッセイ・コレクション『彼の後輪が滑った』 の一覧
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2017.5.16
『長距離ライダーの憂鬱』
縦書き
 この『雨降り花』*が編中編として出て来る『波と風のグッド・ニュース』は、今年つまり一九九五年の四月に本になっている。最後の部分である『雨降り花』を書いたのは、だから春先ではなかったか。それ以前に、オートバイの出て来る小…
2017.5.15
『江戸でシャンペイン』
縦書き
 僕がこの文章を書いているいまは、一九九五年の十二月だ。ついでに日付と時間を書いておこう。十五日の午後五時三十分だ。いまとはいったいいつなのか、はっきりさせておきたい、と僕は思う。このいまから見て、僕がもっとも最近になっ…
2017.5.2
ホンダの90CCでマイアミからLAまで走ったら、ガソリン代はなんと二十ドルだったというハイウエイ・ストーリー。
縦書き
 ホンダのスーパーカブC90から発展していった軽量のトレール・モデルに、CT90というバイクがあった。一九七四年ごろにはリアの左側に丸い補助タンクがつき、完全防水のエア・クリーナーとなり、エンジンを水没させても走行ができ…
2017.5.1
風景のなかにむき出しでほうり出されて
縦書き
 ロード・マップに印刷された道路をぼんやりとながめているだけで、かつて体験した旅を、次から次へと、思い出す。  高速の長距離バスで走りぬけてしまうなんて、ほんとによくない。どうしてもバスをつかうなら、町へ着くたびに降りて…
2016.12.14
彼の後輪が滑った──13(秋〜冬)
 高架の高速道路の上は、不思議な世界だ。都会の内部に密集している建物のあいだを、地面でもなければ上空でもない、その中間の微妙な高さにおいて、ほとんどなんの理由もなしに起伏し、蛇行している。そして、強引に前方へとのびていく…
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