884編公開中。 今を映す手鏡のように
本を読め の一覧
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2018.3.7
うちの山にいた五人の私立探偵
縦書き
 五冊あるペイパーバックのどれもが、私立探偵を主人公にしている。私立探偵が一人称で語る物語を、ふと読みたくなるときがある。一冊読むと二冊目を読みたくなる。あとを引く。だから三冊目を読み、もう一冊、さらにもう一冊と、あっと…
2018.3.5
この世の終わりを見続ける
縦書き
 コーマック・マッカーシーの小説を三冊、続けて読んだ。写真のなかでいちばん左にあるのが、処女作だという『果樹園を守る人』という作品で、一九六五年に刊行された。それから四十年後、二〇〇五年の『老いた男たちの国でなく』が、ま…
2018.3.2
女たちの描く「女」が怖い
縦書き
 いちばん左にあるのを僕は二〇〇七年の夏に読んだ。まんなかのを秋口に、そして右側にあるのは、冬になってから読んだ。二作とも女性の書き手によるものだ。意図してそう選んだのではなく、まったくの偶然だ。偶然と言えば、表紙の写真…
2018.2.28
うかつに紀行文を書かないように
縦書き
 一九一五年のアメリカで、『ザ・ベスト・アメリカン・ショート・ストーリーズ』という題名の短篇集が刊行された。その年のアメリカで発表された短篇小説を可能なかぎりたくさん集めて読み、そのなかから傑作とうたうにふさわしいものを…
2018.2.26
「ザ・ルーキー」
縦書き
 ジム・モリスは幼い頃からボール遊びが好きだった。ピンポンの球からバスケット・ボールまで、ボールならなんでもいい。転がして遊んで飽きない。投げる、蹴りとばす、父や母に高く投げてもらい、それを追いかけて捕る。あらゆるボール…
2018.2.23
一九六二年、ボストンの怪事件
縦書き
 第一回の殺人は一九六二年の六月に起きた。ボストンの小さなアパートメントの自室で五十五歳の女性が絞殺・強姦された。二週間後、おなじくボストンで六十歳の女性が、まったくおなじような状況のなかで、おなじように殺害された。続い…
2018.2.21
アメリカン・ノワールの傑作
縦書き
 前回の僕は写真について説明していない。本文とは関係のない、飾りとしての写真だったが、いちおう説明しておこう。『死を賭けて』を一九六二年に発表したあとのダン・J・マーロウは、個別の主人公を持つそれぞれ独立した作品を、一九…
2018.2.19
もっともハードなハードボイルドとは
縦書き
 ダン・J・マーロウという作家の最初の長篇『死を賭けて』と、その続編である『ワン・エンドレス・アワー』の主人公、アール・ドレイクという男性は、犯罪の世界とは関係のないまともな社会に存在するものに例えるなら、彼は優秀な海兵…
2018.2.16
ひき続きダン・J・マーロウを読む
縦書き
 今回はまず写真について説明しておこう。横にならんでいる三冊のペーパーバックのうち左端にあるのは、僕にとっての最初のダン・マーロウとなった、『死を賭けて』の一九六二年に刊行された初版だ。かつて僕はこれを持っていたし、読み…
2018.2.14
「ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス」②
縦書き
『ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス』と、片仮名をいくつも続けて書くのはつらいので、意をとった仮の日本語題名として、『死を賭けて』と書くことにする。先月号(*13「ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス」)に書い…
2018.2.12
「ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス」
縦書き
 昨年のいつだったか、『コロラド・キッド』というミステリーのペーパーバックを買った。作者はスティーヴン・キングだ。『コロラド・キッド』という題名には惹かれるものがあった。この題名でキングがいったいどんな物語を書いたのだろ…
2018.2.9
「イン・コールド・ブラッド」
縦書き
トゥルーマン・カポーティに関して僕は晩生(おくて)だった。二十歳のときに『ア・クリスマス・メモリー』という短編を読み、これはすごい、という強い感銘を受けたのだが、「これ」とはなにか、「すごい」とはどういうことなのか、とい…
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