884編公開中。 今を映す手鏡のように
アメリカの色とかたち の一覧
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2017.12.15
アメリカが宇宙に見つけた敵
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 いまはもう名前も残っていないとおもうが、エース・ブックスというブランドのペーパーバック叢書が、かつてアメリカにあった。通俗路線の底辺に近いあたりで、ひところは出版点数も多かった。おもてから読んで一冊、ひっくり返して裏か…
2017.12.13
のこぎりバンパーを追憶する
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 一九六六年から一九七十年代いっぱいくらいの期間、アメリカの自動車の前部バンパーは、こんな造形だった。マーキュリー・サイクローン。オールズモビールのトロナードやデルモント88。ビューイック・リヴィエラ・グラン・スポート。…
2017.12.11
ホーム・スイート・ホーム写真帳
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 一九六十年代なかばのアメリカで刊行された、ごく一般的な雑誌の広告ページから、ファミリーの写真を僕が写真機で複写したものが、ここにある。どのファミリーも現実のファミリーではなく、さまざまな製品の広告のために、プロのモデル…
2017.12.8
そこはスープの国だった
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 アメリカにおける日常的な料理そして食事のなかで、スープは錬金術にも似た位置づけにあったのではないか。あったと過去形で書くのは、現在のアメリカではスープは箱や袋そして罐などに入り、食料品として最下層に定位置を見つけて、そ…
2017.12.6
リタ・ヘイワースの足もと
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 リタ・ヘイワースがデビューしたのは一九三十年代のことだと思う。女優としての代表作、あるいは彼女の存在を決定づけた作品は、一九四六年の『ギルダ』だ。今回の写真のなかに、彼女の素晴らしい立ち姿の、上半身写真がある。僕がつけ…
2017.12.4
僕がデソートを停めた場所
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 デソートという名の自動車が、かつてアメリカにあった。ここにあるのはそのデソートのおそらくは一九三九年あるいは一九四十年の雑誌に掲載された広告の、アートワークの部分だけだ。  どれもみな絵だから、誇張も美化も思いのままだ…
2017.11.30
リアリズムが勝つに決まってる
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 アメリカ文化のあらゆる領域を貫く、もっとも重要な価値の中心軸はリアリズムだ。努力や才能、熱意や善意、創意独創、時の運や神の加護などだけでは、勝利は約束されない。最終的に勝ちをおさめるために欠かすことの不可能な方針は、リ…
2017.11.27
ハワイの絵葉書の不思議な情感
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 ハワイが観光地としての性格をおびた最初の瞬間、というものについて僕はいま考えている。その瞬間はいまからおよそ八十年ほど前のことだ。太平洋のまんなかという、遠い場所にある珍しい未開の島、ハワイ。そこへ遠くからきた人が、来…
2017.11.23
古き佳きアメリカとはなにか
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 ここにあるのは一九四一年のフォードの新車の広告だ。当時の雑誌に掲載されたものだが、この頃の雑誌広告の世界では、写真ではなく人が描いた絵が、グラフィックスの中心だった。カラー写真が広告に盛んに使われるようになったのは、戦…
2017.11.20
フロント・グリルと僕の関係
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 一九六十年代のなかばから後半にかけての時代の、シヴォレーやフォードなどごく庶民的な乗用車のフロント・グリルがいくつか、ここにある。ひとつずつ観察してやがて頭のなかにまとまる感想は、かつてこういう時代があった、ということ…
2017.11.16
キャンディ・ウエイファーに込められた
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 色とかたちとは味や香りでもある、と考えた次の瞬間、僕はこのキャンディのことを思い出した。アメリカの色とかたち、そして味と香りを、その一身に体現しているものの、ほかに匹敵するものが見つからないほどの好例が、じつはこのキャ…
2017.11.9
この光と空気のなかに
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 エドワード・ホッパーの絵を見るたびに感じることについて、僕は書いてみることにする。見るたびに感じるとは、見るたびに感じることの質や方向に沿って、そのたびに、けっして小さくない影響を、ホッパーの絵から僕は受けている、とい…
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