911編公開中。 今を映す手鏡のように
2020.3.17
梅雨の日に傘をさして学校へいったら
縦書き
 東京から山口県の岩国へ、そしてそこから広島県の呉へ。戦後に小学生となった僕は、呉に移ったとき五年生だったと思う。今日からあの小学校へ通うのだと言われた小学校へ、初日はまともにいってクラスの全員に、転校生として紹介された…
2020.3.12
言葉のなかだけにある日本をさまよう
縦書き
 オールタイム、という日本語を文字どおりに解釈するなら、文庫のオールタイム・ベスト10など、とうてい無理だ。勝手に戦後だけに限定しても、戦後の日本で出版された文庫のすべてを所有していて、そのほとんどについてよく知っていな…
2020.3.10
それをマヨネーズ・ブックと称したい
縦書き
 一九七二年の確か七月だったと思う。三十代の前半に入ったばかりの僕は、ホノルルのダウンタウンで定宿に滞在していた。南ベレタニアのそのあたりは、いつもは東京にいる僕にとって、一九五〇年代なかばから知っている、故郷のような場…
2020.3.5
ミッキーマウスの両耳
縦書き
 ミッキーマウスをふたつ買った。ふたり、と言うべきか。ひょっとして、二体か。あるいは、二匹。上半身の高さが十一センチほどなので、ふたつでいいのではないか。良く出来ている。赤い半ズボンから黒くて細い脚が出ていて、その先端は…
2020.3.3
秋の雨に百円の珈琲を
縦書き
 十月初めの平日、雨は朝から降っていた。昼前に窓から外を見たら、雨はやんでいた。たたんだ傘を持って人が歩いていた。雨は降ったりやんだりの一日なのだ、と僕は思った。夕方近く、自宅を出ていつもの私鉄駅へ歩いていくとき、僕は傘…
2020.2.21
長いつきあいはまだ続く
縦書き
「ピーナッツ」のコミック・ストリップを最初に読んだのは、まだ子供だった頃だ。父親の仕事の関係で、アメリカの新聞や雑誌、そして書籍が、雑多に大量に、いつも自宅にあった。そのような新聞で見かけて、ふと読んでみた。ひょっとした…
2020.2.21
スヌーピーと旅したアメリカ6000マイル
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 ふつう、ぼくは、人形と名のつくいっさいのものに対して、興味を持たない。嫌いなのではなく、人形はじっと見ているともの悲しいし、あるときは薄気味わるくもあるからだ。  身のまわりにながく置いてあった人形には、ぼくたちの生命…
2020.2.21
「過去の栄光にひたる」を英語で言えますか?
縦書き
凧揚げにまつわる基礎英語 『ピーナッツ』の日めくりカレンダーを今年の1月なかばから使っている。今日はすでに桜の満開を過ぎた。1日ごとに切り取るカレンダーは捨てるにしのびないから、オリジナルの箱に1枚ずつ入れている。  チ…
2020.2.21
大人になっても手放せないものはありますか?
縦書き
世界で有名になったライナスの毛布  PEANUTSの日めくりカレンダーを僕は今年の1月1日から使っている。8月24日からはライナスのブランケットが主題だ。いま僕がこれを書いているのは9月6日だ。ライナスのブランケット問題…
2019.12.17
銀の鱗に陽ざしを受けて
縦書き
 銀鱗煮干し、というものを七百グラム、いま僕は片手に持っている。ポリエチレンの透明な袋に入っている。銀鱗とは魚の鱗のことだ。そこから意味は広がって、魚ぜんたいをも意味する。いま僕が片手に持っている銀鱗は、片口鰯だ。片口鰯…