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評論・エッセイ

ジェロについて書くとは思わなかった

 ジェロを覆すものを僕はいまだに知らない。
 ジェロについて書こうと思い、どんなふうに書いたらいいか考えていたら、書き出しのワン・センテンスがたいへんに重要だろう、というひとまずの結論を得た。そのワン・センテンスはどうあるといいか、さらにひとりで考えていったら、たったいまこの文章の冒頭に書いたようなワン・センテンスに、たどりついた。
 話はそれるけれど、この一節のなかにワン・センテンスという片仮名書きの言葉が、四度もあらわれる。そしてこれで五度目となるのだが、ワン・センテンスという言葉に該当する日本語は、な…

底本:『白いプラスティックのフォーク──食は自分を作ったか』NHK出版 2005年

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