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ジェリー・ビーンズに紫色がない!

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 ほんのちょっとした玩具のつもりで、ジェリー・ベリーというアメリカのジェリー・ビーンズを買ってみた。写真の被写体として、かつて何度も買った。いろんなふうに撮ってみながら、ひと粒ふた粒は食べたのだが、写真はなかなかうまくいかなかった。たくさんのジェリー・ビーンズに太陽の光が直射している様子は、写真に撮って美しいはずなのだが。楕円形の球体が、直射光との相性を持っていないのかもしれない。

 このジェリー・ビーンズが大好物だと告白したアメリカの大統領は誰だったか。百グラム入りのをひと袋。何粒入っているのかわからないけれど、二十種類の「フレイヴァー」が取り合わせになっているという。その二十種類が袋の裏面に列挙してある。リコリスがないではないか。袋を開いてなかのジェリー・ビーンズをすべて取り出し、僕は紫色のビーンズを探してみた。紫色のは、どこにもなかった。

 紫色のジェリー・ビーンズ、つまりリコリスの「フレイヴァー」のビーンズなら、三粒は食べてもいい。しかし、リコリスの粒がない。どうしてだろう。このブランドのジェリー・ビーンズには、もともとリコリスの香りと味の紫色の粒は、ないのだろうか。他のブランドにさっそくあたってみなくてはいけない。色としては紫色に近いものはあるのだが、列挙してある二十種類の「フレイヴァー」のなかに、僕の好きなリコリスはない。

 それにしても、ジェリー・ベリーというブランド名のジェリー・ビーンズを作っている会社の名称が、ジェリー・ベリー・キャンディ・カンパニーとは。ジェリー・ベリーにお勤めのお嬢さん、と言っていいような若い女性が、この会社へいくと事務をとっていたりするのだろうか。カリフォルニア州フェアフィールドにあるこの会社の所在地は、仮に日本語で書くと、ジェリー・ベリー小路一番地だということだ。エイトハンドレッド・ナンバーの番号も、800のあとの番号が、JBのBEANSとなっている。ここに電話をして、「リコリスの粒はないのですか」と訊いてみるのも一興だろう。

底本:『白いプラスティックのフォーク──食は自分を作ったか』NHK出版 2005年


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2020年6月2日 07:00
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