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評論・エッセイ

いきづまりに立ち会う

 世界ぜんたいのいきづまりに立ち会えるとは思わなかった。いずれも世界最高の知性と呼ばれている各国の知識人たちの意見は、ほぼひとつのところにまとまる。どのようなものになるかはまったくわからないが、これまでとはまるで異なる、とてつもなく別なシステムを世界は必要としている、という意見だ。
 いきづまった古い時代が終わり、やがて新しい時代が来る、などとは考えないほうがいい。新しい、と言ってしまうと、これまでの延長線上の出来事だ。それに、来るのではなく、作るのだ。しかもこれまでとはとてつもなく別の時代を。まったく別次元における、す…

底本:『自分と自分以外──戦後60年と今』NHKブックス 2004年

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