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評論・エッセイ

美女を三つ折りたたむ

 一九五十年代前半の、ごくみじかい期間、アメリカの『エスクワイア』という雑誌には、三つ折りの引き出しページがあった。横長のページの一端はほかのページとおなじく綴じてあり、その横長のスペースは、山折りと谷折りひとつずつで、三つの平面に折りたたんであった。
 そのトライ・フォールドのひとつが、ここにあるアニタ・エクバーグの、半裸体の肖像画だ。五十年代前半のアメリカで注目を集めていた女優だ。なぜ人気があったか、その理由はこの絵のとおりだ。体の存分に大きい、奔放な印象のある肉感的な美人が、この時期のアメリカでは人気があった。アニ…

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